よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、執筆・編集・配信、ありがとうございます。 台風が過ぎたと思えば急激に寒くなり、大変な気温差です。皆様、どうぞご自愛くださいませ。 今回ほど応募しなかったことを後悔した道場はありません。それは第1部の生放送を見ただけでも思いましたし、今回のライジングでよしりん師範の解説を拝読して尚更そう思いました。 一読して脳裏に浮かんだことは、福沢諭吉の「一身独立して一国独立すること」です。福沢は一身独立する条件として2つ挙げています。それは経済的な自立と是非善悪の判断を他人に頼らないことです。 幼児化する大人という今回のテーマから考えますと、これは古市氏の階級社会化とおじさん化に相当すると思われます。政府の経済政策の誤りが階級社会を生み出し、結果として個人の経済的自立を阻み、また階級の下層にいる人だけでなく、上層としての大企業の正社員でいるようなおじさんも、個人で考えず組織に善悪の価値判断を委ねているから一身独立できていない=幼児化しているわけです。 また大企業のような組織は、大所帯であるだけに小回りが利かず、高度成長期のような時代遅れで既に公からズレてしまった過去の成功体験に囚われており、それゆえ安倍のようにノスタルジーを満足させてくれる政権を支持し続け、結果として階級社会化を促進し、今度は経済的自立を阻まれれて大人になれない幼児を大量に生み出すわけです。それが日本社会から活力を奪うことにつながり、企業はさらなるグローバル展開を迫られ、最後には日本の最下層民が中国その他に進出している日本企業で、中国なみの人権無視の環境で働かされる憂き目に遭うわけです。こうなってしまえば、宇野・古市両氏が言うような国家のセイフティ―ネットなど全く役に立たなくなります。 さて、今回私がもっとも素晴らしいと思ったのは、宇野氏が以前は人よりも仕組みが大事だと思っていたと告白した上で、今は仕組みより人が大事だと考えるようになった経緯を明らかにしたことです。AKB48峰岸みなみ丸刈り事件でAKBの仕組みの整備こそが大事だと語っていた頃とは隔世の感があります。何よりも感動したのは、知識人が自分の転向を明らかにするという、大変勇気の要ることやってのけたことだと思います。論壇世間で祭り上げられて満足しているホシュやサヨクとは違う、個人で戦える大人を見た気がします。 「勝つビジョンというのは、同じように僕の考えることに耳を傾け、実際にコミットしてくれる仲間を増やすことだけですよ。それも頭数ではなくて、責任をもって最後までコミットしてくれて、具体的に戦力になる仲間をどれだけ作れるかです」という氏の言葉は、師範の『大東亜論』の玄洋社を意識した言葉だと思いますが、これは魅力あるリーダーに率いられ、互いの顔が見えるぐらいの大きさのチームで、一つの目標に向かって活動するとき最も力を発揮する良き共同体のことだと思われます。そこには当然国レベルの大きな物語が含まれる可能性をも孕んでいるはずです。 顔の見える程度の大きさの共同体で、リーダーは言うに及ばず成員それぞれが、その経済的自立にも是非善悪の判断にも責任を持ち、つまり皆が大人(公を含み込んだ個人)を演じていけば、共同体同士の有機的つながりとしての世間も風通しが良くなり、付和雷同する性質を持つとされる日本人も空気に染まることが少なくなり、結果として国も方針を誤ることが少なくなる、それが福沢の一身独立して一国独立することの意味だと思われます。 悪い振る舞いをすることの何が悪いかと言えば、それが周りに伝播することだと福沢が語っていたように記憶しています。現在は年齢的に成年に達した大人の幼児化した振る舞いが、ネットやメディアを通じて、かつてないほど素早く伝播する時代です。しかし、共同体が壊れかかっていると言われる時代にも、一人ひとりがその共同体の中で大人を演じ、それを徐々に世間に浸透・拡散させていくことなしには、国を変えることはできないのだと改めて学ばせていただいた、そんなゴー宣道場でした。 第2部の公開がこれほど待ち遠しいのは初めてです na85
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よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、執筆・編集・配信、ありがとうございます。
台風が過ぎたと思えば急激に寒くなり、大変な気温差です。皆様、どうぞご自愛くださいませ。
今回ほど応募しなかったことを後悔した道場はありません。それは第1部の生放送を見ただけでも思いましたし、今回のライジングでよしりん師範の解説を拝読して尚更そう思いました。
一読して脳裏に浮かんだことは、福沢諭吉の「一身独立して一国独立すること」です。福沢は一身独立する条件として2つ挙げています。それは経済的な自立と是非善悪の判断を他人に頼らないことです。
幼児化する大人という今回のテーマから考えますと、これは古市氏の階級社会化とおじさん化に相当すると思われます。政府の経済政策の誤りが階級社会を生み出し、結果として個人の経済的自立を阻み、また階級の下層にいる人だけでなく、上層としての大企業の正社員でいるようなおじさんも、個人で考えず組織に善悪の価値判断を委ねているから一身独立できていない=幼児化しているわけです。
また大企業のような組織は、大所帯であるだけに小回りが利かず、高度成長期のような時代遅れで既に公からズレてしまった過去の成功体験に囚われており、それゆえ安倍のようにノスタルジーを満足させてくれる政権を支持し続け、結果として階級社会化を促進し、今度は経済的自立を阻まれれて大人になれない幼児を大量に生み出すわけです。それが日本社会から活力を奪うことにつながり、企業はさらなるグローバル展開を迫られ、最後には日本の最下層民が中国その他に進出している日本企業で、中国なみの人権無視の環境で働かされる憂き目に遭うわけです。こうなってしまえば、宇野・古市両氏が言うような国家のセイフティ―ネットなど全く役に立たなくなります。
さて、今回私がもっとも素晴らしいと思ったのは、宇野氏が以前は人よりも仕組みが大事だと思っていたと告白した上で、今は仕組みより人が大事だと考えるようになった経緯を明らかにしたことです。AKB48峰岸みなみ丸刈り事件でAKBの仕組みの整備こそが大事だと語っていた頃とは隔世の感があります。何よりも感動したのは、知識人が自分の転向を明らかにするという、大変勇気の要ることやってのけたことだと思います。論壇世間で祭り上げられて満足しているホシュやサヨクとは違う、個人で戦える大人を見た気がします。
「勝つビジョンというのは、同じように僕の考えることに耳を傾け、実際にコミットしてくれる仲間を増やすことだけですよ。それも頭数ではなくて、責任をもって最後までコミットしてくれて、具体的に戦力になる仲間をどれだけ作れるかです」という氏の言葉は、師範の『大東亜論』の玄洋社を意識した言葉だと思いますが、これは魅力あるリーダーに率いられ、互いの顔が見えるぐらいの大きさのチームで、一つの目標に向かって活動するとき最も力を発揮する良き共同体のことだと思われます。そこには当然国レベルの大きな物語が含まれる可能性をも孕んでいるはずです。
顔の見える程度の大きさの共同体で、リーダーは言うに及ばず成員それぞれが、その経済的自立にも是非善悪の判断にも責任を持ち、つまり皆が大人(公を含み込んだ個人)を演じていけば、共同体同士の有機的つながりとしての世間も風通しが良くなり、付和雷同する性質を持つとされる日本人も空気に染まることが少なくなり、結果として国も方針を誤ることが少なくなる、それが福沢の一身独立して一国独立することの意味だと思われます。
悪い振る舞いをすることの何が悪いかと言えば、それが周りに伝播することだと福沢が語っていたように記憶しています。現在は年齢的に成年に達した大人の幼児化した振る舞いが、ネットやメディアを通じて、かつてないほど素早く伝播する時代です。しかし、共同体が壊れかかっていると言われる時代にも、一人ひとりがその共同体の中で大人を演じ、それを徐々に世間に浸透・拡散させていくことなしには、国を変えることはできないのだと改めて学ばせていただいた、そんなゴー宣道場でした。
第2部の公開がこれほど待ち遠しいのは初めてです na85