カラス のコメント

ネタバレ感想 『GODZILLA』私も観ましたが最高でした。
見せ方が圧倒的に巧いですねえ。「秘するが花」と言わんばかりになかなか実体を現さないゴジラ、あれぞ究極のチラリズム。CGで長時間全身を映すと画が保たなくなるだろうことを踏まえたのでしょうか、それが効果的に興奮を高める見事な演出。
何よりゴジラ強い! まさかの放射熱線を最後にかましてくれるとは! あそこでガッツポーズの出ない奴は男じゃないでしょう。ドヤ顔でムートーの首を放り、くねくねと山椒魚のように海へと帰る姿に激萌え。「ゴジラは人類にとって救世主だったのでしょうか」でバスッと切れてエンドロール。センスありすぎ、シビれました。
で、今週のゴー宣にもシビれました。やはり、国民性を知るにはその国のエンタメを知るのが近道なんでしょうか。
『スターシップトゥルーパーズ』では言葉も通じないし理解する必要もない昆虫でしかなかった異国人の存在が、『ダークナイト』では自らの戦争に悩み始め、『アバター』に至って異国人にも感情や文化があることを認め、『GODZILLA』ではとうとう自然を畏怖する感覚にまでメリケンが到達したかと思うと感慨も一入です。
「まだまだ全然アメリカ寄りだからダメだ」といった頓珍漢な感想もあるようですが、アメリカ資本で作られたハリウッド映画がベタベタの日本寄りで作られていれば気持ち悪いだけでしょう。仮にそんなゴジラが作られたとしても、それは単なるイデオロギー映画として見る価値もないもんです。反日日本人の作った左翼運動映画が、特に見る価値が無いのと同様に。
この『GODZILLA』はアメリカでクリエイター達が、運動ではなく感覚で、自分達の価値観と照らし合わせながらギリギリの表現を模索し、葛藤しつつ到達した現時点での結果であり、それがアメリカを始め各国の市井に受け入れられたからこそ、見る価値も語る意義もある作品なんだと思います。
『ラストサムライ』の設定にツッコミを入れるのは野暮、とは昔の『わしズム』で教わりましたが、それと同じく「よくぞここまで食い込んだ」と素直に喜んどきゃいいんですよね。

No.73 125ヶ月前

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