よしりん師範、木闌師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信ありがとうございました。 GODZILLAは時間が無くてまだ見ていません。でも必ず見に行きますし、予習のためにパンフレットも買いました(映画館に足を運ぶ時間だけはありました)。ですので、今回はゴー宣本文(よしりん師範のレンズを通したゴジラ評)とパンフの知識で書かせていただきます。 上の方で誰かが書いておられますが、これからは文化で国際的地位を築いていくのが良いと師範が仰ったことに、確かな根拠があったことに感動しています。その象徴が今回の日本的自然観で描かれたハリウッド版ゴジラだったわけですね。 大石久和氏が『国土学再考』で述べた、北米大陸から朝鮮半島までに広がる紛争死史観と日本の自然災害死史観との文化的闘争で自然災害死史観の日本がついに一矢報いたわけです。これはつまり、「自然は征服の対象だ」とする西欧キリスト教と科学が結びついた近代主義イデオロギーと、「自然は畏怖すべきものだ」とする日本の神道的価値観、つまり前近代的自然信仰を保存する文化との相克で日本側が一矢報いたことでもあります。 これはまた、安田喜憲氏のいう畑作牧畜民と稲作漁労民の対立軸でもあります。森を切り拓いて広大な小麦畑をつくり、原野を牧場に替えて多くの家畜を飼う、そういう自然を征服する農業を行って収量を上げ、落ちてきたら農場を放棄して次へ移る、そうやって砂漠を拡げてきたから古代文明は皆砂漠の真ん中にあるわけです。これに対して古代から同じ場所で稲作と漁業を行ってきた日本人は、収穫物を自然からのいただきものとしてカミ様に豊作豊漁を感謝するという態度を崩していません。これは自然災害をカミの怒りと捉えて受け入れる態度とは表裏関係にあります。 環境を破壊しない産業や農業、食習慣、生活習慣、環境を守る技術や伝統の知恵、これらの日本文化を今回のGODZILLAの例で見たように、日本的自然観に載せて文化侵略のごとく世界中に知らしめ、そういった取り組みの中で日本の国際的地位を築いていければ良いと思います。しかし、日本的自然観を売り込んでいかなきゃならないという時に、肝腎の日本が原発推進していては信用されるはずがなく、ましてや原子炉を輸出するなどという暴挙を支持する輩が保守を名乗っていたりすると惨殺処刑したくなります。 またTPP発効後では、内外の良い文化を消費する体力が日本人の間から失われ、また日本の歴史的遺産と言えるモノが全てグローバル企業にしゃぶり尽くされてしまうため、TPPは絶対に拒絶しなければならないわけですが、この時には米国と戦争するぐらいの覚悟が全国民に要求されるはずです。 おそらく、この米国に逆らう覚悟という部分で右も左もすくみ上るわけです。欧米人監督による、日本的自然観を体現したGODZILLAが米国や世界で受け入れられたというだけで、また米軍が自然の脅威を象徴するGODZILLAによってなす術もなくやられている姿が描かれているだけで、これを日本人が褒めればアメリカ様の逆鱗に触れるんじゃないかと怖がって酷評してしまうのかもしれません。さらに右は「これは本来のゴジラではない」というナショナリズムで糊塗してしまうから訳の分からない謂いになるのでしょう。 「ザ・神様」は「パパはお馬鹿ちゃんでちゅね~♪」がツボでした。かつての日本人は男尊女卑のシナ文化を受け入れていなかったから、女は強いという真実を直截に描けたのでしょうね。今の日本人にもその文化は受け継がれているから、かかあ殿下な家が多いわけですが。 木闌師範の語る男女論はマンネリどころか、どこまででも疾走していく感覚がありますよー。 「かかあ殿下」も文化輸出・文化侵略すれば平和の到来はグッと早くなるでしょうに… na85
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よしりん師範、木闌師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信ありがとうございました。
GODZILLAは時間が無くてまだ見ていません。でも必ず見に行きますし、予習のためにパンフレットも買いました(映画館に足を運ぶ時間だけはありました)。ですので、今回はゴー宣本文(よしりん師範のレンズを通したゴジラ評)とパンフの知識で書かせていただきます。
上の方で誰かが書いておられますが、これからは文化で国際的地位を築いていくのが良いと師範が仰ったことに、確かな根拠があったことに感動しています。その象徴が今回の日本的自然観で描かれたハリウッド版ゴジラだったわけですね。
大石久和氏が『国土学再考』で述べた、北米大陸から朝鮮半島までに広がる紛争死史観と日本の自然災害死史観との文化的闘争で自然災害死史観の日本がついに一矢報いたわけです。これはつまり、「自然は征服の対象だ」とする西欧キリスト教と科学が結びついた近代主義イデオロギーと、「自然は畏怖すべきものだ」とする日本の神道的価値観、つまり前近代的自然信仰を保存する文化との相克で日本側が一矢報いたことでもあります。
これはまた、安田喜憲氏のいう畑作牧畜民と稲作漁労民の対立軸でもあります。森を切り拓いて広大な小麦畑をつくり、原野を牧場に替えて多くの家畜を飼う、そういう自然を征服する農業を行って収量を上げ、落ちてきたら農場を放棄して次へ移る、そうやって砂漠を拡げてきたから古代文明は皆砂漠の真ん中にあるわけです。これに対して古代から同じ場所で稲作と漁業を行ってきた日本人は、収穫物を自然からのいただきものとしてカミ様に豊作豊漁を感謝するという態度を崩していません。これは自然災害をカミの怒りと捉えて受け入れる態度とは表裏関係にあります。
環境を破壊しない産業や農業、食習慣、生活習慣、環境を守る技術や伝統の知恵、これらの日本文化を今回のGODZILLAの例で見たように、日本的自然観に載せて文化侵略のごとく世界中に知らしめ、そういった取り組みの中で日本の国際的地位を築いていければ良いと思います。しかし、日本的自然観を売り込んでいかなきゃならないという時に、肝腎の日本が原発推進していては信用されるはずがなく、ましてや原子炉を輸出するなどという暴挙を支持する輩が保守を名乗っていたりすると惨殺処刑したくなります。
またTPP発効後では、内外の良い文化を消費する体力が日本人の間から失われ、また日本の歴史的遺産と言えるモノが全てグローバル企業にしゃぶり尽くされてしまうため、TPPは絶対に拒絶しなければならないわけですが、この時には米国と戦争するぐらいの覚悟が全国民に要求されるはずです。
おそらく、この米国に逆らう覚悟という部分で右も左もすくみ上るわけです。欧米人監督による、日本的自然観を体現したGODZILLAが米国や世界で受け入れられたというだけで、また米軍が自然の脅威を象徴するGODZILLAによってなす術もなくやられている姿が描かれているだけで、これを日本人が褒めればアメリカ様の逆鱗に触れるんじゃないかと怖がって酷評してしまうのかもしれません。さらに右は「これは本来のゴジラではない」というナショナリズムで糊塗してしまうから訳の分からない謂いになるのでしょう。
「ザ・神様」は「パパはお馬鹿ちゃんでちゅね~♪」がツボでした。かつての日本人は男尊女卑のシナ文化を受け入れていなかったから、女は強いという真実を直截に描けたのでしょうね。今の日本人にもその文化は受け継がれているから、かかあ殿下な家が多いわけですが。
木闌師範の語る男女論はマンネリどころか、どこまででも疾走していく感覚がありますよー。
「かかあ殿下」も文化輸出・文化侵略すれば平和の到来はグッと早くなるでしょうに… na85