くりん のコメント

「大切なのは憎むのではなく赦すこと」刑事ドラマで加害者家族に報復しようとした被害者遺族に、主人公がかけた言葉です。
この言葉も真理の一つだと思います。ですが赦しというのは、事件を止めようがない立場にある加害者家族や自らの罪を心から悔い罪を犯した自分を決して赦さないと心に決めた人間にのみ当てはまるものであって、佐世保猟奇殺人事件の加害少女にはどこをどう見ても当てはまらないでしょう。加害少女は自分を気遣ってくれた心優しい友人を、自らの殺人欲求のためだけに惨殺しただけでなく遺体を切り刻みました。
被害者のご両親は大切な娘の命を奪った犯人を「絶対に赦すことはできない」とおっしゃっていました。その想いはもっともなものであり、命の教育に耳を傾ける気などさらさらなかったであろう犯人を無理に赦す必要などないのです。赦せないのなら赦さなくていい、憎ければとことん憎めばいいのです。

加害少女には兄がいるとのことです。異常行為を繰り返す娘の凶行を止める責務を怠った父親はともかく、兄まで世間の誹謗中傷にさらされる必要があるのでしょうか。加害者家族への誹謗中傷はどんなに冷酷な事件を起こした犯人でも家族への情ぐらいはあるだろうから、その家族を苦しめて犯人を罰しようという非常に甘い考えから成り立っています。
加害者家族であるというだけで誹謗中傷を受け人生をめちゃくちゃにされることに耐えられず、その家族と縁を切ったり自ら命を断ってしまう方もまた事件の被害者であるように思います。

今日の69年前長崎に原爆が落とされ、何の落ち度もない数多くの命が無惨にも断たれました。この方々や佐世保猟奇殺人事件の被害者の少女が次に生まれてきたときは人生を幸せに全うできることを、今はただ祈るのみです。

No.95 126ヶ月前

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