よしりん師範、木蘭師範、みなぼん編集長、スタッフの皆様、執筆・編集・配信、ありがとうございました。梅雨明けと同時に酷暑が訪れましたが、体調を崩されたりしていませんか?木蘭さん、帯状疱疹、お見舞い申し上げます。 私は『花子とアン』をただの一度も見ていませんので、今回は書くことが何も無いかな?と思っていましたが、零落貴族の娘・柳原燁子の哀れともいえる一代記は実に興味深いもので、少し書きたくなりました。 華族や皇族の世界では当時は親の決めた相手としか結婚できないのが普通で、望まぬ相手をあてがわれた柳原燁子はその華族世界の因習に悩まされ続けてきたわけです。それが当たり前の世界で育った燁子がそれに反抗したわけですから、少し異質の存在だったとも言えますが、おそらく後に歌人として花開く芸術家の資質がそうさせたのでしょう。 2度目の望まぬ結婚で炭鉱王・伊藤伝右衛門の後妻となった燁子は、歌人・白蓮となってすぐ九州の文化人サロンの女王となってしまうのですから、元々女王になる資質のようなものがあったのでしょう。そして炭鉱王と筑紫の女王、つまり王と女王ではやはり合わなかったのでしょう。王は多くの側室を囲っている中で、同じように自分に傅く妃を迎えたかったのかもしれませんが、女王もまた自分にだけに傅きつつ守ってくれる騎士を求めていたわけですから。宮崎龍介という騎士が現れたら、あっという間に望んでさらわれて行ったわけです。 炭鉱王・伝右衛門は偉いですね。華族の出で芸術家肌の燁子と無学で粗野な実業家の自分ではこうなることを予測していたかもしれません。当時普通だった姦通罪で訴えることもせず、自分からは一切反論もせず、二人を制裁すると息巻いた若い衆も制止して、全部自分で呑み込んだわけです。真のマッチョイズムが似合う男であり、多くの妾を持っても許される数少ないケースだと思います。 華族の出自により親の決めた相手との結婚を強制され、芸術家肌が災いしてこの因習に逆らい続けた燁子は、ようやく華族から除籍され解放されたわけですが、平民としての生活に追われる中で芸術家の資質も枯渇していき、最後にすがったものは結局元華族というブランドだけだったのでしょう。皇太子殿下(今上陛下)が正田美智子さんを結婚相手に決めたことが皇族・華族のしきたり(因習)と違っていると、華族の因習から逃れることに人生の大半を費やしてきた白蓮(燁子)が言うのですから悪い冗談です。 また、右翼思想家の荒原朴水が最高に恰好いいですね。右翼の言論界を皇太子の婚約解消で染め上げるべく常磐会の松平信子・柳原白蓮の一派が開いた会合に、単身「招かれざる客」として出向き、大演説を打って流れを戻したわけですから。皇族や華族から嫁入りしたことで皇后陛下が国民から慕われるのではなく、天皇陛下・皇太子殿下に嫁入りすることで国民が慕う、至極当たり前のことなのです。旧宮家系から婿入りすることで慕われるのではなく、女性宮家当主に婿入りすることで国民が皇婿として慕う、これも当然ではないですか。 さて、政権を取って真っ先に手を付けたことが女性宮家創設案潰しだったという国賊・安倍信三は、皇太子殿下(今上陛下)と美智子様のご成婚にも尽力した愛国者・岸信介とは、つくづく逆を行っていることに慨嘆せざるを得ません。岸の安保改定が日本の米国からの自立を目指すものだったのに対し、安倍の集団的自衛権行使容認とTPP参加は米国への従属を不可逆的なものにすることは周知のとおりです。安倍は岸ブランドを利用するだけして岸の理想とは全く逆を行っているのです。これに保守派は一切気づこうとしません。 「ザ・神様」ですが、サルタヒコは「古事記」では扱いが悪いですね。身分が上(アマツカミで天孫降臨旅団に一員)の嫁さんをもらった場合、浮気は許されなかったようです。アマツカミやその血筋のカミ(例、オオクニヌシ)には側室が何人もいるカミが多いのに。サルタヒコは根っからクニツカミだったためか、鼻男にマッチョを演じる資格が無かったためか、とにかく鼻男の死後アメノウズメはドライにビジネスライクに生きていますね。アマツカミはクニツカミの死を悲しむ素振も見せてはいけないのでしょうか。 マッチョが似合わない時代を直観されたから昭和天皇は側室を廃止され、 身分制度のない世を望まれたから今上陛下は民間人とのご結婚を希望された na85
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よしりん師範、木蘭師範、みなぼん編集長、スタッフの皆様、執筆・編集・配信、ありがとうございました。梅雨明けと同時に酷暑が訪れましたが、体調を崩されたりしていませんか?木蘭さん、帯状疱疹、お見舞い申し上げます。
私は『花子とアン』をただの一度も見ていませんので、今回は書くことが何も無いかな?と思っていましたが、零落貴族の娘・柳原燁子の哀れともいえる一代記は実に興味深いもので、少し書きたくなりました。
華族や皇族の世界では当時は親の決めた相手としか結婚できないのが普通で、望まぬ相手をあてがわれた柳原燁子はその華族世界の因習に悩まされ続けてきたわけです。それが当たり前の世界で育った燁子がそれに反抗したわけですから、少し異質の存在だったとも言えますが、おそらく後に歌人として花開く芸術家の資質がそうさせたのでしょう。
2度目の望まぬ結婚で炭鉱王・伊藤伝右衛門の後妻となった燁子は、歌人・白蓮となってすぐ九州の文化人サロンの女王となってしまうのですから、元々女王になる資質のようなものがあったのでしょう。そして炭鉱王と筑紫の女王、つまり王と女王ではやはり合わなかったのでしょう。王は多くの側室を囲っている中で、同じように自分に傅く妃を迎えたかったのかもしれませんが、女王もまた自分にだけに傅きつつ守ってくれる騎士を求めていたわけですから。宮崎龍介という騎士が現れたら、あっという間に望んでさらわれて行ったわけです。
炭鉱王・伝右衛門は偉いですね。華族の出で芸術家肌の燁子と無学で粗野な実業家の自分ではこうなることを予測していたかもしれません。当時普通だった姦通罪で訴えることもせず、自分からは一切反論もせず、二人を制裁すると息巻いた若い衆も制止して、全部自分で呑み込んだわけです。真のマッチョイズムが似合う男であり、多くの妾を持っても許される数少ないケースだと思います。
華族の出自により親の決めた相手との結婚を強制され、芸術家肌が災いしてこの因習に逆らい続けた燁子は、ようやく華族から除籍され解放されたわけですが、平民としての生活に追われる中で芸術家の資質も枯渇していき、最後にすがったものは結局元華族というブランドだけだったのでしょう。皇太子殿下(今上陛下)が正田美智子さんを結婚相手に決めたことが皇族・華族のしきたり(因習)と違っていると、華族の因習から逃れることに人生の大半を費やしてきた白蓮(燁子)が言うのですから悪い冗談です。
また、右翼思想家の荒原朴水が最高に恰好いいですね。右翼の言論界を皇太子の婚約解消で染め上げるべく常磐会の松平信子・柳原白蓮の一派が開いた会合に、単身「招かれざる客」として出向き、大演説を打って流れを戻したわけですから。皇族や華族から嫁入りしたことで皇后陛下が国民から慕われるのではなく、天皇陛下・皇太子殿下に嫁入りすることで国民が慕う、至極当たり前のことなのです。旧宮家系から婿入りすることで慕われるのではなく、女性宮家当主に婿入りすることで国民が皇婿として慕う、これも当然ではないですか。
さて、政権を取って真っ先に手を付けたことが女性宮家創設案潰しだったという国賊・安倍信三は、皇太子殿下(今上陛下)と美智子様のご成婚にも尽力した愛国者・岸信介とは、つくづく逆を行っていることに慨嘆せざるを得ません。岸の安保改定が日本の米国からの自立を目指すものだったのに対し、安倍の集団的自衛権行使容認とTPP参加は米国への従属を不可逆的なものにすることは周知のとおりです。安倍は岸ブランドを利用するだけして岸の理想とは全く逆を行っているのです。これに保守派は一切気づこうとしません。
「ザ・神様」ですが、サルタヒコは「古事記」では扱いが悪いですね。身分が上(アマツカミで天孫降臨旅団に一員)の嫁さんをもらった場合、浮気は許されなかったようです。アマツカミやその血筋のカミ(例、オオクニヌシ)には側室が何人もいるカミが多いのに。サルタヒコは根っからクニツカミだったためか、鼻男にマッチョを演じる資格が無かったためか、とにかく鼻男の死後アメノウズメはドライにビジネスライクに生きていますね。アマツカミはクニツカミの死を悲しむ素振も見せてはいけないのでしょうか。
マッチョが似合わない時代を直観されたから昭和天皇は側室を廃止され、
身分制度のない世を望まれたから今上陛下は民間人とのご結婚を希望された na85