私もSAPIO8月号を読んでいるところです。SPECIAL REPORT「日本人だけが知らない洗脳の戦後史」は数人の論考を集めた特集ですが、どれも秀逸です。私は有馬哲夫氏の『1949年の大東亜共栄圏』を買って読み始めていたところでしたので、氏の「正力松太郎はCIAから2つの暗号名が与えられていた」を興味深く読みました。『原発・正力・CIA』も購読しようと決めました。なお、今は中断してよしりん師範の『保守も知らない靖国神社』を読んでいますが。
　SAPIOの記事によるとCIAが正力に行わせたのは、初の民間放送局である日本テレビとその系列を使って米国のホームドラマなどを流すことで米国に親近感を抱かせ、冷戦中ソ連陣営に傾かないよう日本の世論を誘導する工作と、ビキニ環礁水爆実験・第五福竜丸事件により反原子力の世論が高まった日本において原子力平和利用博覧会を日比谷で開催するなど平和利用アピール工作です。記事中で有馬氏は、日本への原発導入は正力の単独行動だったとしていますが、後に米国は日本に原発を維持推進させた方がウランの輸入・加工・再処理やプルトニウム上限規制でIAEAによる支配がしやすくなることを学んだはずです。このようにCIAが絡んだメディア工作であったのなら、親米も原子力政策も骨絡みになっていて非常にやっかいだと思われます。

　著名人が脱原発を言うのに覚悟が要るのは、ほぼ反米と同義語だからか　na85