na85 のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信、ありがとうございました。感想コメントが遅れました。

 「集団的自衛権行使と引き換えに、基地提供義務を廃止」。言われてみれば、確かにこれが正しい道筋のはずですね。「ただの紙切れでしかない安保条約を機能させるには基地を差し出すだけでは双務性が足りない」…という発言には、本来自分たちの手で守らなければならない自国を他国民に守ってもらうことによって生じる矛盾を精一杯表出しています。これは本当にただの紙切れであり、米国大統領が「列島を防衛する」と一応宣言しても議会が「うん」と言わなければ実現しないわけです。現在世界中の戦地から軍を引き始めている米国が新たな防衛ラインを持ちたがるはずがありません。そもそも在日米軍基地は日本を抑え込んでおくビンの蓋であり、ソ連が崩壊してからはますますその本来の性質を露わにしてきました。
 しかし現政権は、米国がどんな状態であってもオバマに一言「守ってやる」と言ってもらえれば、今現在の国内世論は抑えられるという算段なのでしょう。そして、そのためにはバーターで何を譲っても恬として恥じないようです。TPP交渉で絶対守ると言っていた重要5品目を筆頭に次々と譲歩し、この市場アクセス以外の20分野ではISD対策の法改正が先行して進み、労働市場緩和のため年間20万人の移民受け入れの方向にも舵を切りました。またオバマ在日の日程中は天皇陛下を利用し尽くしても何の痛痒も感じていません。
 9.11~イラク戦争の期間に「パックス・アメリカーナが来る」と言って喜んでいる御仁に限って、コアな支持層に向けては「これからはパックス・ジャパーナの時代だ」とぬかしていたように思います。しかしローマ帝国滅亡は傭兵を雇うために市民に重税を課したことが原因だというのが定説であり、ローマの滅亡と日本の行く末が重ね合わされる議論はこれまでに何度もされてきました。石原慎太郎などのナショナリストはしょっちゅうやっていました。
 国内に135ヶ所も基地を提供し年間6400億円を支払って傭兵を雇っても不安は解消されず、単独で日本周辺では戦えないけど遠隔地では一緒に戦えるという倒錯の極みを敢行しようとしています(集団的自衛権)。しかもそれだけでは満足できないオバマにTPP交渉での大幅譲歩も付けたわけです。集団的自衛権は連邦政府の負担減のため、TPPはグローバル企業が日本を草刈り場にするツール、オバマにはどちらも必要というわけです。それらを売り渡して日本側が得るのは、安倍自民党の次の選挙までの安心と投機家お任せの日本企業の株価です。

 もう滅亡フラグは立ったでしょう na85

No.64 119ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細