岸端編集長、小林師範、時浦師範代、今週も配信をありがとうございます。 数年前、以前勤めていた某大手半導体洗浄液企業でも企業の事業を紹介する時、ことある度に担当者が韓国をべた褒めしていたのを思いだします。曰く「半導体製造も韓国は国がらみでやっているので太刀打ちできない。これからは韓国がアジアの経済をリードし、日本は韓国の下請けになる」と。当時は娯楽などで「韓流ブーム」が終焉を迎えていましたが、大手企業では「韓流ブーム」が「嫌韓流」がネットなどであちこち飛び回っていたにも関わらず、根強く続いていました。これまで務めた企業でも韓国をべた褒めしていなかった職場はなく、むしろ、韓国の偉大さだけが話題になっていました。ですから、「嫌韓」というのはネットの中のほんの一部の人々しか書かない物であり、その時は今問題となっている「嫌韓運動」がここまで大きくなるとは想像もしていませんでした。 今回の沈没船事故なのですが、事故に韓国の文化や習慣はあまり深く関係していないと思います。なぜなら、今回の事故は人件費と運営経費を極限まで削減したうえで行ったグローバリズムに乗っ取った運営をしていたからです。その証拠として沈没した船長も正社員ではなく、契約社員(実質派遣)でその他の乗組員の殆ども契約社員でした。船長が契約社員である場合、正社員の船長と違って船舶を運営する上で絶対必須な乗組員たちの統率力が大幅に低下するという話を聞きました。故にどこの船会社も船長は国籍問わず、その船を統率する力があるかどうかが試され、この統率力を得るためには金銭が高すぎても歯を食いしばって我慢しなければならないという話を、船舶会社に勤めていた知り合いから聞きました。これは船舶に限らず、旅客を含む航空機の長を務める機長(操縦士)やその他の大型輸送機器を取り扱う輸送機関でも同じだということなのです。なぜならば、大型船舶も大型旅客機も長時間にわたって特殊な環境下の下で特殊な業務を行い続けなければならないからなのです。この業務には緊急時の訓練も当然含まれます。 さらに言えば、航空機や船舶に限らず、多くの鉄道や旅客機が乗り入れし、乗客が利用する巨大駅の駅長や空港ターミナルの運営者にも機長や船長と同じ統率力が求められます。駅構内や空港内における暴動、災害などの緊急時における適切な処置と事故防止のための運営の責任はすべて、これら長とする運営者の手にかかっているからなのです。駅のホームに行くたびに、朝の混雑時などには派遣社員が交通の整理を行っていますが、果たしてこのような状態で火災などの災害が起こった時に適切に対処できるのか心配になってきます。また、鉄道の事故が駅構内で発生した時にどのような事態に陥るのかとても不安にもなったりします。 今回の韓国の船舶事故を嫌韓派は嘲笑っていますが、つい数年前にも日本航空系列の企業ジャルエクスプレスが航空機の操縦士候補生の採用を取りやめるという報道がありました。また、現在のスチュワーデスの大半も派遣です。スチュワーデスも緊急時の時の訓練が必要とされていますし、ある程度の統率力の下で行動しなければなりませんが、果たして、派遣で緊急事態においても統率を維持したまま、事態に適切に対応できるのでしょうか?また、機長を含む操縦士を派遣に頼った場合、果たして業務中に統率力を維持したまま、業務を遂行できるのでしょうか?今回の船舶事故はこれから、過剰には県に頼った企業や機関の将来を証明しているようにしか思えないようになりました。また、9年前に死者107名を出した福知山線列車脱線転覆事故も、今回の韓国船舶事故と同じく、利益の過剰優先と過剰利益の追求に伴う従業員の質の低下が原因でもあるのに、なぜに、自国に同じ問題はないのかその厳しい目を皆が向けないのか不思議でなりません。 今回の韓国の船舶事故は冷静に考えてみて、対策を誤れば何時、どこでも起こりうる事故であって、日本だって同じ醜態を何時晒さないとも限りません。むしろ、今回の事故を「嫌韓」の材料にしている限り、目先は韓国だけに行き着き、挙句の果てに視野が狭くなり、自分の目の周りの危険に気が付かずに韓国以上の災害に遭遇することだって十分にあり得ることから、今回の事故を冷静に取り上げて自分たちの身の回りに及ばないように対策を練ることが先決だと思います。
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岸端編集長、小林師範、時浦師範代、今週も配信をありがとうございます。
数年前、以前勤めていた某大手半導体洗浄液企業でも企業の事業を紹介する時、ことある度に担当者が韓国をべた褒めしていたのを思いだします。曰く「半導体製造も韓国は国がらみでやっているので太刀打ちできない。これからは韓国がアジアの経済をリードし、日本は韓国の下請けになる」と。当時は娯楽などで「韓流ブーム」が終焉を迎えていましたが、大手企業では「韓流ブーム」が「嫌韓流」がネットなどであちこち飛び回っていたにも関わらず、根強く続いていました。これまで務めた企業でも韓国をべた褒めしていなかった職場はなく、むしろ、韓国の偉大さだけが話題になっていました。ですから、「嫌韓」というのはネットの中のほんの一部の人々しか書かない物であり、その時は今問題となっている「嫌韓運動」がここまで大きくなるとは想像もしていませんでした。
今回の沈没船事故なのですが、事故に韓国の文化や習慣はあまり深く関係していないと思います。なぜなら、今回の事故は人件費と運営経費を極限まで削減したうえで行ったグローバリズムに乗っ取った運営をしていたからです。その証拠として沈没した船長も正社員ではなく、契約社員(実質派遣)でその他の乗組員の殆ども契約社員でした。船長が契約社員である場合、正社員の船長と違って船舶を運営する上で絶対必須な乗組員たちの統率力が大幅に低下するという話を聞きました。故にどこの船会社も船長は国籍問わず、その船を統率する力があるかどうかが試され、この統率力を得るためには金銭が高すぎても歯を食いしばって我慢しなければならないという話を、船舶会社に勤めていた知り合いから聞きました。これは船舶に限らず、旅客を含む航空機の長を務める機長(操縦士)やその他の大型輸送機器を取り扱う輸送機関でも同じだということなのです。なぜならば、大型船舶も大型旅客機も長時間にわたって特殊な環境下の下で特殊な業務を行い続けなければならないからなのです。この業務には緊急時の訓練も当然含まれます。
さらに言えば、航空機や船舶に限らず、多くの鉄道や旅客機が乗り入れし、乗客が利用する巨大駅の駅長や空港ターミナルの運営者にも機長や船長と同じ統率力が求められます。駅構内や空港内における暴動、災害などの緊急時における適切な処置と事故防止のための運営の責任はすべて、これら長とする運営者の手にかかっているからなのです。駅のホームに行くたびに、朝の混雑時などには派遣社員が交通の整理を行っていますが、果たしてこのような状態で火災などの災害が起こった時に適切に対処できるのか心配になってきます。また、鉄道の事故が駅構内で発生した時にどのような事態に陥るのかとても不安にもなったりします。
今回の韓国の船舶事故を嫌韓派は嘲笑っていますが、つい数年前にも日本航空系列の企業ジャルエクスプレスが航空機の操縦士候補生の採用を取りやめるという報道がありました。また、現在のスチュワーデスの大半も派遣です。スチュワーデスも緊急時の時の訓練が必要とされていますし、ある程度の統率力の下で行動しなければなりませんが、果たして、派遣で緊急事態においても統率を維持したまま、事態に適切に対応できるのでしょうか?また、機長を含む操縦士を派遣に頼った場合、果たして業務中に統率力を維持したまま、業務を遂行できるのでしょうか?今回の船舶事故はこれから、過剰には県に頼った企業や機関の将来を証明しているようにしか思えないようになりました。また、9年前に死者107名を出した福知山線列車脱線転覆事故も、今回の韓国船舶事故と同じく、利益の過剰優先と過剰利益の追求に伴う従業員の質の低下が原因でもあるのに、なぜに、自国に同じ問題はないのかその厳しい目を皆が向けないのか不思議でなりません。
今回の韓国の船舶事故は冷静に考えてみて、対策を誤れば何時、どこでも起こりうる事故であって、日本だって同じ醜態を何時晒さないとも限りません。むしろ、今回の事故を「嫌韓」の材料にしている限り、目先は韓国だけに行き着き、挙句の果てに視野が狭くなり、自分の目の周りの危険に気が付かずに韓国以上の災害に遭遇することだって十分にあり得ることから、今回の事故を冷静に取り上げて自分たちの身の回りに及ばないように対策を練ることが先決だと思います。