na85 のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、朝夕の寒暖差が厳しいですが、いかがお過ごしでしょうか。今号も、執筆・編集、および無事の配信、ありがとうございます。

 今回の「ゴー宣」ですが、やはりこの件では天皇陛下が憲法遵守のお立場であることが非常に重要な意味を帯びてくると感じます。まず陛下は国民皆を大御宝と思ってくださる方ですので、本来我が国のために身体を張ってくれる自衛官の命を、米国のための大義なき戦争によって危険にさらすことを良しとされる筈がないと考えます。
 しかし我が国は、侵略されたら降服するような奴隷国家を指向するのでない限り、やはり自衛戦争のできる当たり前の国にならねばなりません。古代より周辺国からの侵略に晒される歴史を潜り抜けてきた我が国の最古にして最高位の家系に連なる陛下なら、そのことがお判りにならないはずがありません。なおこの侵略には軍事によるもの以外に経済によるものを含むのは言うまでもありません。
 そのためには憲法改正が不可欠なのですが、国民的議論を興して説得の上で改正せねばならないものを、閣議決定から国会議決へとなし崩しに解釈を変えて実質改憲してきたのがこれまでの自民党政権、そしてこの度正規ルートでの改憲を諦めた現政権です。しかも毎度のことながら国際貢献とかいう名目で米国にせっつかれる形です。米国の要請に応じての集団的自衛なのですから限定的で済むはずがありません。東シナ海や日本海での行使は米国議会に阻まれ、中東や中央アジアなどでの行使には引きずられていく様が目に浮かびます。
 よって我が国の公の体現者である陛下としては、国のために憲法改正は必要であるけれども、姑息な解釈改憲を繰り返してきたこれまでの政権同様、碌な結果にしかならないであろう現政権の改憲にも反対という意味での憲法遵守のお立場ではないかと拝察する次第です。このように考えてくれば、実はよしりん師範とかなり近い考えなのではないかと思うわけです。
 さて、一般に軍隊はネガティブリストの交戦規定が採用されており、「やってはいけないこと」が事細かに明確に決まっていて他は臨機応変に現場で何でもやれるわけですが、自衛隊は「やっていいこと」だけが自衛隊法に明記されるというポジティブリスト方式を採っています。つまり今のままの自衛隊では不測の事態に出くわしても全く対応できず、集団的自衛どころか個別的自衛もままならないわけです。まるで侵略されることは想定外だと言わんばかりの平和ボケです。
 最近ようやくこの自衛隊法を変えようという議論があるようですが、長年自国すら守れない不完全な状態に自衛隊を放置してきたくせに、米国のための軍事活動に向けてはホイホイ変えようというわけですから度を越えたポチです。もし米国の国益が絡んだ大義のあやふやな戦争に自衛隊が引っ張り出され、遠い異国で自衛官が殉職するような事態になったら現政権は一体どのように遺族に詫びるつもりなのでしょうか。

 一つ先の選挙と献金のことしか考えられない政権に憲法を変えさせるのは危険 na85

No.98 130ヶ月前

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