三味線弾き のコメント

少し時間が取れたので、理研の「研究論文の疑義に関する調査報告書」(平成26年3月31日付)を読んでみました。
http://www3.riken.jp/stap/j/f1document1.pdf
同報告書は、理研に「科学研究上の不正行為の防止等に関する規程」(以下「規程」と略)というのがあり、それに対して小保方氏のNature論文の6点について適切だったかどうかを評価したものです。同報告書により、2点が「捏造」「改ざん」に相当すると認定され、理研が謝罪に至ったのはご存じの通りです。

「規程」第2条第2項には、「捏造」「改ざん」「盗用」の用語がそれぞれ定義されており、それらは「ただし、悪意のない間違い及び意見の相違は含まないものとする。」とされています。現時点で小保方氏は「悪意のない間違い」を主張しているので、問題となるのは「悪意」の解釈です。

理研の「規程」にある「悪意」について、法律的な「悪意」では、認識していたか,知っていたか,どうかが問題であって、倫理的な善悪とは無関係、という主張があります。その主張は以下でなされています。
【理系は「悪意」の意味が分かっていない!(STAP論争)】
http://blogos.com/article/83594/

一方、法律上の「悪意」は、認識していたか,知っていたか,のみで判断されるべきではなく、一般的な用法にある倫理的な「悪意」も含めて考慮すべきであり、そのように解釈できる法律も存在する、という主張が法律の専門家からなされています。
【理系弁護士による「悪意」の説明(STAP論争)】
http://www.mc-law.jp/mc_soudan/10177/
【理研vs小保方さんの対立を公式資料から分かりやすく整理(STAP論争)】
http://www.mc-law.jp/mc_soudan/10182/

まぁ、概して弁護士は弱者の味方なので、その分は割引対象ですけど、ざっと読んだ限りでは、後者の方に分があるように思います。

そもそも、研究と研究者を守り社会を発展させていくのが、理研の社会的使命なのではなかったのでしょうか。もし、小保方論文のとおりSTAP細胞が実証された場合、理研は切腹でもする覚悟があるのでしょうか。一つの研究テーマとひとりの研究者生命を潰すような判断を下してしまった訳ですから、まぁ、相応の覚悟はあるのでしょう。
理研のなすべきは、メディアに向けた謝罪などではなく、むしろ全力を挙げて、小保方氏も含めて、早急にSTAP細胞の成否を実証することに存じますなぁ...

No.102 129ヶ月前

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