na85 のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も日本でほぼ唯一まともなメディアとして存在するライジングの執筆・編集・配信をありがとうございます。

 今回の「ゴー宣」は本当に恐ろしいです。「政治家は『最終的な戦争が避けられない』というニュアンスを見せてはならない」という一文は物凄くヤバイものに感じました。安倍晋三という人物が現在の日本の政策決定者であるという状況が決定的に危ういと感じるからです。第一次世界大戦は国際関係ゲームの参加者として合理的なプレーヤーが揃っていたにも関わらず偶発的な事件を切っ掛けとして破滅的な戦争に突き進んでしまいました。しかし安倍氏は合理的なプレーヤーですらありません。コアな支持者の評価を得るためには同盟国(宗主国)である米国政府の忠告も押し切って靖国参拝し、偶発的にでも実際に戦争が始まったら遂行能力などないくせに、ダボス会議での言動に象徴されるように戦争回避のための努力が感じられません。深く考えず言いたいことは言い、やりたいことはやるという彼の習性は、彼の抱える我慢の効かない病気と我慢を教えられなかったであろうお坊ちゃま育ちが原因だと思われますが、彼には政策決定者としての資質を決定的に欠いているように思えます。
 第一次世界大戦前の英独関係に例えるほど現在の日中が危うい関係であるなら、例え経済的相互依存関係にあったとしても中国にとって日本との関係を続けるメリットより戦争経済のメリットが勝れば、局地戦ぐらいは偶発を装って起こすのではないでしょうか。日中両国の経済的繁栄が戦争を阻むための防波堤になっていると言う御仁が、TPPは中国包囲網だと触れ回っている様はまさにルーピーです。実際にはTPPは米国の多国籍企業が日本から価値のあるモノ全てを奪い尽くす協定でしかなく、その結果ますます日本が中国にとって関係を続けるには値しない国となり、列島は単なる領土欲の対象でしかなくなるでしょう。
 日米安保によって米兵が危険に晒されるため米国政府は戦争を避けたがっていますが、米国に本拠を置く多国籍企業はどうでしょうか。軍産複合体を始めとする戦争で儲かる企業も米国の主要産業であり、また戦争の危険性が高まれば基軸通貨としてのドルの価値が高まり、米国債にも世界中のカネが集まるため双子の赤字に悩む米国としては戦争経済はありがたいという見方もあります。米兵の血が流れる可能性があると言っても移民と貧困層であり、戦争すらビジネスチャンスと捉えるウォール街の富裕層にとっては痛くも痒くもないため、米国の一部の勢力は戦争を望んでいる可能性すらあるわけです。
 また日本が原因で世界同時株安が起これば、米欧諸国は日本に対して懲罰的により厳しい条件でTPPや日欧EPAを締結させ、米韓・欧韓FTAで搾り取られた韓国以上にズタズタにされるという見通しも立ちます。さらに日本の挑発が中国の軍事行動を招いているという国際的な評価のまま日本政府が中国の威嚇に耐えかねて米国に泣きついた場合、戦争を望まない米中政府が手打ちの会談を行い、日本政府が米中両国に対して領土やカネによる賠償をにさせるような処遇を決めるかもしれません。
 つまり、東シナ海において実際に戦争が起こっても、危ういところで回避されても、このまま緊張が高まれば想定されるケースは大東亜敗戦に匹敵する地獄であるように思えるのです。斯くなる上は安倍をテロるしかないのか?と危険なニヒリズムに陥りそうです。

 政策決定者が私人性でしか動けなくなる民主制の陥穽か na85

No.67 130ヶ月前

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