村山談話・河野談話に未来はあるか?
第4回 慰安婦は「従軍」ではない!
第3回まで、わしは必ず「いわゆる『従軍慰安婦』」と書いてきたが、
本当は長ったらしくて好きではない。
だがNHKニュースでも、必ず「いわゆる従軍慰安婦」と言うし、
河野談話でも「いわゆる従軍慰安婦問題」となっている。
なぜ「いわゆる」がつくのか?
それは、「従軍慰安婦」というのは誤用に基づく言葉だからだ。
そもそも「従軍」とは「軍属」にしかつかない言葉である。
軍属とは、軍隊に所属する軍人以外の人のことで、
技師や法務官、通訳といった専門職や、日常の事務作業の担当者である。
軍属は戦闘に積極的に参加はしないが、
軍人とは異なる独自の制服や階級が制定され、
軍人同様に恩給や勲章授与の制度があった。
そして軍属は戦地で死亡すると、軍人と同様戦死とされ、
靖国神社に合祀された。
その職種は実に幅広く、海軍規則では
専門・技術職の「文官」の下の階級である「雇員・傭人」に、
以下のような職名が決められていた。
理事生、技工士、運転士、裁縫士、製糧士、調理士、調剤助手、
医務助手、看護婦、守衛、栄養士、通弁、保健婦、技療士、
記録手、軍用郵便手、兵器手、機関手、電機手、工作手、
潜水手、操船手、靴工手、彫刻手、印刷手、経師手、運輸手、
警防手、倉庫手、運転手、裁縫手、製糧手、割烹手、烹炊手、
製剤手、養成看護婦、線路手、電話手、理髪手、洗濯手、衛生手、
用務手、番人、従僕、給仕
ただし、これらの軍属が必ず配属されていたわけではなく、
職種と状況によっては民間業者に委託する場合もある。
その場合は、同じような軍に関わる仕事をしても「軍属」ではない。
いずれにしても、「慰安婦」が軍隊に「軍属」として所属し、
軍から階級をもらい、軍の規則に従って行動した例など一つもない。
あくまでも慰安婦は民間業者に雇われた、民間人である。
したがって「従軍看護婦」や「従軍調理士」、
「従軍洗濯手」などはあっても、
「従軍慰安婦」というものは、本当は存在しないのだ。
だからこそ一般的には「いわゆる従軍慰安婦」と言うしかないのだが、
わしは単に「慰安婦」とか「戦場慰安婦」と使ったりする。
昔は、慰安婦は「従軍」ではないと言っただけでも、
「慰安婦がいなかったという奴がいる」と左翼からデマを拡散され、
悪人にされてしまったものだ。
言葉使いには相当注意が必要だったのに、
今は乱暴に使う奴が多くて冷や冷やする。
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