ハンナ・アーレントの「人間の条件」には「芸術や音楽などといったモノは、人間の合理性とは相容れない性質のものである」みたいな一節があったことを覚えています。 日本では古事記の時代から祭祀や神話と不可分に芸能があり、天皇や皇室の方々も芸能に携わるという意味で和歌や歌謡を嗜まれて、今の芸能界の歴史を作って来られたという経緯があり、それは合理主義が浸透した現代日本においてもAKB48をはじめとする芸能の担い手に引き継がれている伝統なのかもしれません。 よしりん先生が「日本のクリエイターが漫画やアニメやロックなどのサブカルチャーで食べていけることを外国の人間は羨ましいと思ってる」とゴー宣でおっしゃっていたのは、そういう伝統が諸外国にないからで、ハンナ・アーレントもそのことを「人間の条件」という著書で分析してるのかもしれません。 アーレントは割と日本のことにも興味があったのかもしれません。もちろん彼女の思想の背景にはナチス・ドイツから逃れて来たユダヤ人の宿命と、アメリカで見た自由主義みたいなものもあったのかもしれません。あるいは、人づてにナチスからユダヤ人を救った杉原千畝や樋口李一郎の話を伝え聞いていたのかもしれません。言語の壁はあったのかもしれませんが、彼女が亡命先をアメリカではなく日本にしていたら、日本の保守思想はもっとまともなものになっていたのかもしれませんね。
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小林よしのりチャンネル
(ID:22166571)
ハンナ・アーレントの「人間の条件」には「芸術や音楽などといったモノは、人間の合理性とは相容れない性質のものである」みたいな一節があったことを覚えています。
日本では古事記の時代から祭祀や神話と不可分に芸能があり、天皇や皇室の方々も芸能に携わるという意味で和歌や歌謡を嗜まれて、今の芸能界の歴史を作って来られたという経緯があり、それは合理主義が浸透した現代日本においてもAKB48をはじめとする芸能の担い手に引き継がれている伝統なのかもしれません。
よしりん先生が「日本のクリエイターが漫画やアニメやロックなどのサブカルチャーで食べていけることを外国の人間は羨ましいと思ってる」とゴー宣でおっしゃっていたのは、そういう伝統が諸外国にないからで、ハンナ・アーレントもそのことを「人間の条件」という著書で分析してるのかもしれません。
アーレントは割と日本のことにも興味があったのかもしれません。もちろん彼女の思想の背景にはナチス・ドイツから逃れて来たユダヤ人の宿命と、アメリカで見た自由主義みたいなものもあったのかもしれません。あるいは、人づてにナチスからユダヤ人を救った杉原千畝や樋口李一郎の話を伝え聞いていたのかもしれません。言語の壁はあったのかもしれませんが、彼女が亡命先をアメリカではなく日本にしていたら、日本の保守思想はもっとまともなものになっていたのかもしれませんね。