na85 のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も木枯しにも逆風にも負けない熱と威力を帯びたコンテンツの配信、ありがとうございます。

 この特定秘密保護法という法律には自らの失政を批判されたくないという権力者・安倍の小心が動機としてあるはずです。その安倍が主張する戦後レジームからの脱却とは中国・韓国・北朝鮮に強く出ることだと思われますが、軍備も覚悟も不完全な戦後日本にあっては近隣諸国に強く出ているように見せるにはアメリカ様に頭を下げ続けなければならないことは自明であり、最大の戦勝国に敗戦国として従い続けることは戦後レジームそのものではないかという重大な倒錯を抱えています。
 また安倍の言う美しい国とは高度成長期であった昭和三十年代への郷愁ですが、地域の共同体から大都市へ出てきた人々による復興需要と消費こそが高度成長の原動力であり、従って人口減少社会に転じた現代日本においては同様のケインズ主義による内需の成長は期待できず、またグローバル経済にあっては企業は国内への投資を控えるため、外需の見込める成長分野への投資とともにTPP参加という共同体を衰滅させる戦略を打ち出すしかないという重大な破綻があります。
 さらに肥大化しすぎた原発ステイクホルダーと骨絡みになった自民党の総裁である限り脱原発などもっての外であり、次の事故で日本が終わることが明らかであっても再稼働を画策しています。このように批判の種となる失政はいくらでも見つかるわけですが、お坊ちゃん育ちで批判に弱く身体にも不安のある権力者は衆参で安定多数を得て独裁者となったことにより国民を黙らせる道を選んだわけです。戦後日本の矛盾が極点に達しようとしている現在の首相が安倍だということは象徴的であると感じられます。
 今後は政権にとって不都合な事実は全て特定秘密に指定され、語ることが憚られるようになっていくことでしょう。権力者の保身が目的であっても「国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」と恣意的に解釈することが可能なのですから。国益=グローバル企業の利益だと考えるホシュ政権にあっては例えば次のような使い方ができます。
 まず、国民の権利と義務を定めた憲法よりも上位に来て外資系企業の利益保障を図る不平等条約TPPについては、秘密指定によって少なくとも交渉妥結までは内容に触れさせないでしょう。また脱原発が世界の趨勢であるにも拘らず、地震大国日本において原発が順次再稼働されようとしている件では、秘密指定によってその危険性を語ることすら許されないでしょう。さらに、国体の根幹を為す皇室の血統が断絶の危機に瀕しているにも拘らず、自分たちの政権基盤安定のために男系に限定しようとしている件では、秘密指定によって断絶の可能性を言うこともできなくなるかもしれません。
 間もなく船が沈もうとしている時に乗員が「この船沈むんじゃね?」と仲間内で噂するだけでも、その噂に関わった疑いありとされた乗員皆が船長代行(政権)とその親衛隊(官僚)によって知らぬ間に魚の餌にされるわけです。助かるのはいつの間にか積み荷を移した荷主(グローバル企業)だけで最後には船長サイドすら助からないはずですが、沈没の責任を問われたくない船長サイドが自分たちの束の間の安全を確保しようとしている状態が特定秘密保護法なのだと言えます。こんな時に船内ジャーナリストが船長サイドの悪を暴かないのならその存在価値はありません。

 『大東亜論』が非常に楽しみであります na85

No.42 132ヶ月前

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