ライジングのテーマが森林に関わることを良いことに勝手に環境の持論を展開させていただいてきましたが、いよいよ最後です。昨今の日本における巨大台風の頻発や異常な高温、そして世界的な渇水・砂漠化・森林火災・巨大低気圧・豪雨・豪雪・異常寒波といった異常気象は、本当に二酸化炭素による地球温暖化が原因だと片づけて良いのでしょうか?これを考えたいと思います。 実は太陽熱を受けて最も熱を溜め込む気体は水蒸気だとされます。温室効果が最も高い気体は水蒸気だということです。水蒸気が地球温暖化の原因として騒がれないのは冷えれば水や氷になるからでしょう。つまり熱を含んだ水蒸気が空気とともに膨張して(密度が低くなって)軽くなり、どんどん舞い上がって上空の冷えた大気に触れ、急速に冷やされ密度が高くなって水や氷に戻ったものが雲であり、地上に雨や雪を降らせます。水蒸気が持っていた熱は最後は絶対零度の宇宙空間に捨てられたわけです。太陽光が熱とともに降り注いだことによる地表の熱は、水蒸気によって宇宙に捨てられて熱収支が均衡しているわけです。この水蒸気を伴った空気の上昇が上昇気流をつくり、地上の空気の密度が低くなった上昇気流の発生場所には周りから渦を巻いて空気が流入してきます。このようにして発生する上昇気流こそが低気圧の正体です。海で発生した低気圧に、周囲から湿った空気が大量に流入して巨大化すれば台風やハリケーンなどになります。ちなみに太陽熱で水蒸気が発生しやすい場所は海や湖、大河など水のある場所ですが、地上では熱を吸収しやすい黒っぽい色をして水分の蒸発も多い場所、つまり森林が挙げられます。実は森林は大きな湖と同じくらい上昇気流が発生しやすい場所なのです。 上昇気流が上空に引き上げた空気で密度が高くなると、空気は地上に下降できる場所を求めることになります。地上においては黒っぽい森林に対して色が白く水分もほとんどない砂漠は太陽熱を吸収せず、逆に光と熱を乱反射して周囲に熱とともに空気を拡散します。そして地上で空気の密度の低い場所ができると上空から重い空気が押し寄せて下降気流が発生し、地上に降り注いだ空気は外向きに渦を巻いて噴射することになり、こうして高気圧が発生します。出来た砂漠がどんどん拡がっていくのは上空から降り注ぐ乾いた空気を外に押し出す力のせいです。海においては風や海流、海面の温度などで空気の密度がまばらになり、密度の低い場所に重い空気が降り注いで下降気流が発生し高気圧になりります。ちなみにコンクリートでできた大都市も光と熱を乱反射する高気圧の発生しやすい場所だと言えます。 さて近年では世界中で夏には数年ごとに猛暑・渇水と冷夏を繰り返し、冬には数年ごとに暖冬と極寒を繰り返すという現象が起こっています。これには偏西風蛇行が関わっているとされます。偏西風は北半球と南半球の北緯30度~60度の中緯度域で西から東へ南北に蛇行しながら吹いている風です。異常気象のある年にはこの偏西風の蛇行が大きくなる傾向があります。例えば日本周辺では夏に偏西風が大きく北に蛇行すれば暖かい太平洋高気圧が日本全域を覆って猛暑をもたらし、逆に南へ大きく蛇行すれば冷たい大陸高気圧が張り出して冷夏になります。また太平洋高気圧と大陸高気圧が列島上空で拮抗していれば、南の海上で発生した熱帯低気圧が北上しても列島になかなか近づけません。しかし勢力を強めて台風となり日本列島に上陸しても高気圧に阻まれて遅々として進まないため、台風が南海で取りこんだ湿った空気によって大雨を列島に降らせながらいつまでも居座り続けます。山の保水作用が弱くなったせいで上陸した巨大台風による豪雨被害が大きくなり、すぐに激甚災害レベルになるのは以前書いた通りです。 なぜ最近は高気圧も低気圧も巨大化しやすくなったのでしょうか。これは前述したように偏西風が大きく蛇行するようになったせいでしょう。南北に大きく蛇行して吹いている偏西風の北あるいは南の頂点に高気圧や低気圧が嵌まり込んで大きく成長するのではないかと考えます。蛇行の振幅や周期が以前より急激に大きくなっているからだと考えます。偏西風が蛇行しているから高気圧や低気圧が成長すると以前書きましたが、逆に高気圧・低気圧が大きいから偏西風の蛇行が大きくなると言えるかもしれません。 低気圧は海・湖・大河・森林など上昇気流の発生しやすい場所で生まれます。人間活動による森林の伐採が進み、砂漠化と湖や大河の渇水も進み、このため大陸においては上昇気流の発生場所が極めて少なくなっており、逆に砂漠と都市の巨大化で下降気流の発生場所ばかりが増え続けています。降り注いだ太陽熱を水蒸気とともに上昇させることができるのは太平洋・大西洋・インド洋といった大洋しかないという状況になれば、海で発生する低気圧は必然的に巨大化し、その周辺では偏西風の流れを大きく南北へ蛇行させるほどの勢いになると思われます。こうして大陸では下降気流ばかり、海では上昇気流ばかりとなれば、偏西風は振幅が大きくなり周期も少なくなるしかありません。そうなれば海面温度の高低差(エルニーニョ・ラニーニャなど)や海流の流れ、その他の風の流れにも異常をきたすでしょう。こうして世界のどこかが暑ければ他のどこがが寒く、地球全体の熱収支は均衡が取れているのに生物にとっては非常に居心地が悪い環境になってくるわけです。気温や海面温度が上がったところばかりを取り上げて温暖化が進んでいると言われても困るわけです。温暖化を持ち出さなくても異常気象の説明が付いてしまいました。 さて確かに世界の平均気温は上がる傾向にはありますが、特に都市部の観測地点ではヒートアイランド現象なども加味せねばなりませんし、前述したような世界的な海面や地表の温度のムラによる異常気象こそが問題だと言えます。また現実に起こっている気温上昇は二酸化炭素排出量よりも1年ほど早く起こっており、二酸化炭素排出が気温上昇を起こしているのではなく、気温上昇が起こったから海中の炭酸が遊離して大気中の二酸化炭素が増えたとみるべきです。原因と結果が逆にされて起こった「不都合な真実」に騙されたフリをする理由は別にあります。 二酸化炭素温暖化説とは石油が枯渇すると噂されたときに言い出された化石燃料節約論の一環ですが、石油の枯渇が嘘であることが判明し、石油火力が原子力に首位を明け渡しそうにない状況に焦った原発推進派が再び持ち出した妄説でしょう。米仏の原発マフィアが国連の機関を牛耳っているから二酸化炭素温暖化説に誰も異を唱えられないわけです。そして二酸化炭素を減らすというテーゼが盤石であれば、熱帯雨林を切り拓いてサトウキビ畑やトウモロコシ畑に替えてバイオエタノールを生成するビジネスにも大義が生まれるわけです。前述したように森林減少こそが異常気象の主原因であるため、二酸化炭素削減という間違った大義に基づいて森林を減少させ、世界の砂漠化を進めるのならば、これは確信犯的環境破壊です。食糧供給が不安定になればなるほどアグリビジネスや穀物メジャーが儲かり、先物市場・金融市場も活況を呈するでしょうから。 今すぐ世界中で潜在植生に合った植林を開始しなければ地球は滅びる na85
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ライジングのテーマが森林に関わることを良いことに勝手に環境の持論を展開させていただいてきましたが、いよいよ最後です。昨今の日本における巨大台風の頻発や異常な高温、そして世界的な渇水・砂漠化・森林火災・巨大低気圧・豪雨・豪雪・異常寒波といった異常気象は、本当に二酸化炭素による地球温暖化が原因だと片づけて良いのでしょうか?これを考えたいと思います。
実は太陽熱を受けて最も熱を溜め込む気体は水蒸気だとされます。温室効果が最も高い気体は水蒸気だということです。水蒸気が地球温暖化の原因として騒がれないのは冷えれば水や氷になるからでしょう。つまり熱を含んだ水蒸気が空気とともに膨張して(密度が低くなって)軽くなり、どんどん舞い上がって上空の冷えた大気に触れ、急速に冷やされ密度が高くなって水や氷に戻ったものが雲であり、地上に雨や雪を降らせます。水蒸気が持っていた熱は最後は絶対零度の宇宙空間に捨てられたわけです。太陽光が熱とともに降り注いだことによる地表の熱は、水蒸気によって宇宙に捨てられて熱収支が均衡しているわけです。この水蒸気を伴った空気の上昇が上昇気流をつくり、地上の空気の密度が低くなった上昇気流の発生場所には周りから渦を巻いて空気が流入してきます。このようにして発生する上昇気流こそが低気圧の正体です。海で発生した低気圧に、周囲から湿った空気が大量に流入して巨大化すれば台風やハリケーンなどになります。ちなみに太陽熱で水蒸気が発生しやすい場所は海や湖、大河など水のある場所ですが、地上では熱を吸収しやすい黒っぽい色をして水分の蒸発も多い場所、つまり森林が挙げられます。実は森林は大きな湖と同じくらい上昇気流が発生しやすい場所なのです。
上昇気流が上空に引き上げた空気で密度が高くなると、空気は地上に下降できる場所を求めることになります。地上においては黒っぽい森林に対して色が白く水分もほとんどない砂漠は太陽熱を吸収せず、逆に光と熱を乱反射して周囲に熱とともに空気を拡散します。そして地上で空気の密度の低い場所ができると上空から重い空気が押し寄せて下降気流が発生し、地上に降り注いだ空気は外向きに渦を巻いて噴射することになり、こうして高気圧が発生します。出来た砂漠がどんどん拡がっていくのは上空から降り注ぐ乾いた空気を外に押し出す力のせいです。海においては風や海流、海面の温度などで空気の密度がまばらになり、密度の低い場所に重い空気が降り注いで下降気流が発生し高気圧になりります。ちなみにコンクリートでできた大都市も光と熱を乱反射する高気圧の発生しやすい場所だと言えます。
さて近年では世界中で夏には数年ごとに猛暑・渇水と冷夏を繰り返し、冬には数年ごとに暖冬と極寒を繰り返すという現象が起こっています。これには偏西風蛇行が関わっているとされます。偏西風は北半球と南半球の北緯30度~60度の中緯度域で西から東へ南北に蛇行しながら吹いている風です。異常気象のある年にはこの偏西風の蛇行が大きくなる傾向があります。例えば日本周辺では夏に偏西風が大きく北に蛇行すれば暖かい太平洋高気圧が日本全域を覆って猛暑をもたらし、逆に南へ大きく蛇行すれば冷たい大陸高気圧が張り出して冷夏になります。また太平洋高気圧と大陸高気圧が列島上空で拮抗していれば、南の海上で発生した熱帯低気圧が北上しても列島になかなか近づけません。しかし勢力を強めて台風となり日本列島に上陸しても高気圧に阻まれて遅々として進まないため、台風が南海で取りこんだ湿った空気によって大雨を列島に降らせながらいつまでも居座り続けます。山の保水作用が弱くなったせいで上陸した巨大台風による豪雨被害が大きくなり、すぐに激甚災害レベルになるのは以前書いた通りです。
なぜ最近は高気圧も低気圧も巨大化しやすくなったのでしょうか。これは前述したように偏西風が大きく蛇行するようになったせいでしょう。南北に大きく蛇行して吹いている偏西風の北あるいは南の頂点に高気圧や低気圧が嵌まり込んで大きく成長するのではないかと考えます。蛇行の振幅や周期が以前より急激に大きくなっているからだと考えます。偏西風が蛇行しているから高気圧や低気圧が成長すると以前書きましたが、逆に高気圧・低気圧が大きいから偏西風の蛇行が大きくなると言えるかもしれません。
低気圧は海・湖・大河・森林など上昇気流の発生しやすい場所で生まれます。人間活動による森林の伐採が進み、砂漠化と湖や大河の渇水も進み、このため大陸においては上昇気流の発生場所が極めて少なくなっており、逆に砂漠と都市の巨大化で下降気流の発生場所ばかりが増え続けています。降り注いだ太陽熱を水蒸気とともに上昇させることができるのは太平洋・大西洋・インド洋といった大洋しかないという状況になれば、海で発生する低気圧は必然的に巨大化し、その周辺では偏西風の流れを大きく南北へ蛇行させるほどの勢いになると思われます。こうして大陸では下降気流ばかり、海では上昇気流ばかりとなれば、偏西風は振幅が大きくなり周期も少なくなるしかありません。そうなれば海面温度の高低差(エルニーニョ・ラニーニャなど)や海流の流れ、その他の風の流れにも異常をきたすでしょう。こうして世界のどこかが暑ければ他のどこがが寒く、地球全体の熱収支は均衡が取れているのに生物にとっては非常に居心地が悪い環境になってくるわけです。気温や海面温度が上がったところばかりを取り上げて温暖化が進んでいると言われても困るわけです。温暖化を持ち出さなくても異常気象の説明が付いてしまいました。
さて確かに世界の平均気温は上がる傾向にはありますが、特に都市部の観測地点ではヒートアイランド現象なども加味せねばなりませんし、前述したような世界的な海面や地表の温度のムラによる異常気象こそが問題だと言えます。また現実に起こっている気温上昇は二酸化炭素排出量よりも1年ほど早く起こっており、二酸化炭素排出が気温上昇を起こしているのではなく、気温上昇が起こったから海中の炭酸が遊離して大気中の二酸化炭素が増えたとみるべきです。原因と結果が逆にされて起こった「不都合な真実」に騙されたフリをする理由は別にあります。
二酸化炭素温暖化説とは石油が枯渇すると噂されたときに言い出された化石燃料節約論の一環ですが、石油の枯渇が嘘であることが判明し、石油火力が原子力に首位を明け渡しそうにない状況に焦った原発推進派が再び持ち出した妄説でしょう。米仏の原発マフィアが国連の機関を牛耳っているから二酸化炭素温暖化説に誰も異を唱えられないわけです。そして二酸化炭素を減らすというテーゼが盤石であれば、熱帯雨林を切り拓いてサトウキビ畑やトウモロコシ畑に替えてバイオエタノールを生成するビジネスにも大義が生まれるわけです。前述したように森林減少こそが異常気象の主原因であるため、二酸化炭素削減という間違った大義に基づいて森林を減少させ、世界の砂漠化を進めるのならば、これは確信犯的環境破壊です。食糧供給が不安定になればなるほどアグリビジネスや穀物メジャーが儲かり、先物市場・金融市場も活況を呈するでしょうから。
今すぐ世界中で潜在植生に合った植林を開始しなければ地球は滅びる na85