カラス のコメント

『AKB48論』読みました!
「幸せな一冊」と聞いて幸せな気分で読み始めましたが、豈図らんや、いつも以上に「ゴー宣」でした。テーマが大文字の「戦争」や「天皇」でない分、より身近な事として引きつけて読めました。
AKB48を扱いながらその実、現代のネット世論やネット大衆が裏テーマとして隠されているようで、私の中にも少なからず存在する虚無主義や冷笑主義や消費者権力を抉り取られ、良い意味でゴー宣シリーズの中で一番凹まされてしまいました。
『戦争論2』の執筆中には「9.11テロ」が起きて内容が変更されたそうですが、今回の『AKB48論』執筆中に「指原一位テロ」という惨劇が起きて内容が変更されたのも『ゴー宣』の持つひとつの宿命でしょうか。
元のコンテがどのようなものだったのかは想像するよりありませんが、変更されたことによって、より「本気(マジ)」や「大衆性」といったテーマが深化し浮き彫りになったとすれば、あの痛ましい惨事にも意味があったと思えてきます。
メンバーのエピソードも全て面白い。
推察するに、優子の「ああ、小林よしのりだー!!」のポーズは忠実に再現されてるのではないでしょうか?
わざと大げさなリアクションでおどけることで気まずさを無くし、くだけた空気を醸成しようとする大島さん。何て健気で細やかな心遣いの優子さん。
おるんですよね、ああいう子って。たまに。
そして去り際のあの表情とあのセリフ・・・・。
あれはアカンです。
あれは反則です。
あれは階段駆け下りて抱きしめるレベルです。
絵では、今までのよしりん絵の延長にあるみるきーの破顔一笑は激カワユスですが、まゆゆの絵は新しい線を探している感じがしてとても魅力的でした。どこかへ向かっている絵を見るのもマンガ読みの醍醐味の一つです。
そのまゆゆの、ラストで取り上げられたスピーチはシビれる。
たかみなや優子やマリコ様の前で堂々と「どのメンバーよりもAKBに捧げてきた自信がある」と言い切った渡辺麻友の「マジ」に、幸あれ。

No.119 136ヶ月前

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