今回のＱ＆Ａで宮崎駿氏の引退について取り上げられていましたが、僕も思うところがありました。
この前ＮＨＫで放送された宮崎氏のﾄﾞｷｭﾒﾝﾀﾘｰの中で、関東大震災で群集が逃げまどう僅か４秒のシーンを完成させるのに１年３ヶ月かかったというエピソードがありました。アニメ製作は、素人には想像もつかない重労働なんだなと痛感させられました。
こういった場面を見て、ファンや評論家の「引退しないでほしい」「まだ出来るはずだ」という発言に疑問を感じるようになりました。ファン心理を考えれば、引退を惜しむのは人情としてわかりますし、僕も惜しいと思う気持ちはあります。
ただ引退を惜しむ人達は、アニメ製作の過酷さを知った上で言っているのでしょうか?宮崎氏の年齢も考えれば「引退しないで」「まだ出来る」なんて迂闊に言えないはずです。僕から言わせれば、そういった発言はアニメ製作の過酷さを知らないセンチなものだと思います。
ファンが宮崎氏にかけるべき言葉は「やめないで」ではなく「今までいい作品を作ってくれてありがとう。長い間お疲れ様でした」ではないでしょうか。
ここまで偉そうな事を書いてきましたが、もし小林先生が引退を表明するような事があったら、きちんと受け止められるかな、お疲れ様でしたと言えるかなと考えてしまいました。もしかしたら「よしりん、やめないで。まだ描けるよ～！」と言ってたりして。

ＰＳ：岡田斗司夫氏の新刊「僕らの新しい道徳」に小林先生との対談が掲載されていたので、買って読みました。倫理と道徳の違いをわかりやすく説明して下さったり、ＡＫＢにいじめはないという対話も掲載されていて面白かったです。