『風立ちぬ』観ました(ネタバレ有り)。 私はひねくれた人間なので、「宮崎駿の死生観」がテーマの映画として観ました(『崖の上のポニョ』もそうでしたが)。 日本が舞台ながら、何だかトスカーナ地方のような色合いの背景ばかりで、「ああ、この人は好きなイタリアで、煙草とメカと女に囲まれて死にたいんだろうなあ」と邪推。 死の道連れは当然「美少女」でなければならず、彼岸への乗物は古今東西最も美しく、且つ死のイメージが色濃い「零戦」でなければならなかったのは、必然だったと思います。 「パイロットになれなかった二郎」は「漫画家になれなかった宮崎駿」そのままで、別の道でモノ創りに携わった自身の半生と総括が二郎に仮託されている。 ラストの菜穂子のセリフは、「来て」から「生きて」に180度変更されたそうですが、美少女の「彼岸への誘い」を撥ね除けて、此岸での「創作の業」を選んだ。 ・・・・正直に言うと、自ら死ぬために用意した零式(の残骸)とヒロインを放ったらかして丘の反対側に降りて行くシーンで、「なんて酷いジジイなんだ・・・・」と絶句してしまいました(笑)。 おそらく宮崎駿は、あの丘の向こう側に新たな飛行機と美少女を探しに行ったのでしょう。 恐るべきかな、作家の「業」。創作者かくあるべし。 第一線を張る、老獪な爺さんの決意表明のような潔い映画でした。 (ヘンテコな感想ですみません・・・・)
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小林よしのりチャンネル
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『風立ちぬ』観ました(ネタバレ有り)。
私はひねくれた人間なので、「宮崎駿の死生観」がテーマの映画として観ました(『崖の上のポニョ』もそうでしたが)。
日本が舞台ながら、何だかトスカーナ地方のような色合いの背景ばかりで、「ああ、この人は好きなイタリアで、煙草とメカと女に囲まれて死にたいんだろうなあ」と邪推。
死の道連れは当然「美少女」でなければならず、彼岸への乗物は古今東西最も美しく、且つ死のイメージが色濃い「零戦」でなければならなかったのは、必然だったと思います。
「パイロットになれなかった二郎」は「漫画家になれなかった宮崎駿」そのままで、別の道でモノ創りに携わった自身の半生と総括が二郎に仮託されている。
ラストの菜穂子のセリフは、「来て」から「生きて」に180度変更されたそうですが、美少女の「彼岸への誘い」を撥ね除けて、此岸での「創作の業」を選んだ。
・・・・正直に言うと、自ら死ぬために用意した零式(の残骸)とヒロインを放ったらかして丘の反対側に降りて行くシーンで、「なんて酷いジジイなんだ・・・・」と絶句してしまいました(笑)。
おそらく宮崎駿は、あの丘の向こう側に新たな飛行機と美少女を探しに行ったのでしょう。
恐るべきかな、作家の「業」。創作者かくあるべし。
第一線を張る、老獪な爺さんの決意表明のような潔い映画でした。
(ヘンテコな感想ですみません・・・・)