na85 のコメント

 道場チャンネル掲示板で、こちらでもすでにおなじみの童人さんやmagome21さんらと面白い議論ができたので、私のコメント部分を一部再構成して貼り付けます。今週のライジングの記事の趣旨にもかなり重なると思います。

 AKBの恋愛禁止のストイックと、特攻隊の生きたい私情を抑えた覚悟、天皇の無私の祈りを自ら当然と受け止める気高さは、(程度の差こそあれ)同じ原理が働いているという話題が童人さんから出て、私もこれに同意しました。「自分をもっとも自由にしてくれる不自由を大事にしよう」という『戦争論』の最後のコマの言葉が3者に共通する全てを表しているように思います。また、よしりん師範が『わしズム』その他で何度も天皇とAKBを並行して取り上げたのはおよそこのような意味があったのではないかと考えています。社会一般の人が持つイメージを壊さないような偶像として活動し、そのための不自由を受け入れるAKBの少女も、社会一般の人が潜在的に求める心の拠所であり、神がかり的な超越性とカリスマ性を持つ絶対無私の存在であるために極限の不自由も責任も受け入れてこられた歴代天皇も、程度の差こそあれ”私”を犠牲にしています。
 公と私がバランス良く共存しているのが個の確立した個人であり、社会一般の人の在り方だと思います。有名人であっても公人の部分と私人の部分があります。プライバシー暴きをして有名税を支払わせることは、人々の平等意識と覗き見趣味を満たしながら社会の安定に寄与する意味はありますが公共性は低いでしょう。昔は有名人のプライバシー暴きを飯のタネにするのは下世話雑誌の記者だけでしたが、今は暇なネット住民がそのプロの領域を犯し、雑誌の部数減少に手を貸しているように思います。だから雑誌は暴いた有名人のプライバシーについてまるで世論調査のように読者に意見を求め、ネットに慣れきった読者様のお気に召すように書こうとしているのでしょう。
 さらに雑誌の部数減少は、よりアンタッチャブルな皇室記事さえも読者様のお気に召すような内容に変えていくことになりました。それが雅子妃殿下バッシングをより過激にし、そこを男系絶対バカ学者が利用して男系絶対教を布教し、肩身の狭くなった男尊女卑感情を持つ下世話おっさん読者の支持を集めるという構図です。
 ”私”が充実していない人は”公”のことを考えることができず、私の了見で公的案件を判断してしまいます。福沢諭吉の言う「独立の気力なきものは国思うこと深切ならず」「一身独立して一国独立する」はここに関わってくると思います。そればかりか”私”が充実していない人は、社会的弱者に対しては侮蔑や差別の目を向ける傾向があり、同時に高貴な人や公人・有名人に対しては平等意識ややっかみから憎悪の視線を向けることさえあります。
 例えば、一流フィギュアスケーターである安藤美姫さんは公人の面がありますが、”私”の充実のために恋愛し充電期間を設けて出産することには何の咎も罪もないはずです。有名人であっても公人と私人を併せ持つ一個人に対して自分の全存在を公のために尽くせと言える資格のある人間などいません。私情全開の下世話読者ごときに言えるわけがないでしょう。
 さらには、無私であるがゆえに至高の存在である天皇の在り方に口出しすることなど、下世話雑誌・下世話読者・下世話ネット住民に許されるはずがないのです。この現象は、昔は理解していた天皇という存在の有難さを戦後の世代交代が進むにつれて忘れていった結果、ムラ社会的な平等意識だけが残って国民主権病として猛威を振るったことが原因でしょう。
 有名人や異質な人、社会的弱者を叩いて満足するような絶対弱者に近い人々が心を安定させるためには、よき共同体に属して信頼を勝ち得ることが必要であり、それによって私情を安定させつつ公に奉じる価値に目覚める必要があります。TPP時代に突入すればますます共同体が壊れていくのでこれは厳しい戦いになります。しかし逆説的ではありますが、そんなときこそ天皇という心の拠所の有難さが再認識されるはずなのです。だからこそ天皇という存在を守らねばならず、だからこそ「ゴー宣」は史上最大の死闘に入ったと言われたのだと考えます。「天皇を中心に置いた支配なき自己統治」(天皇論)という日本の国体が復活すれば、他の多くの問題を解決するだけの意思や力が日本人の間に漲ってくるはずなのです。ゆえにこそ天照大神の復活が求められ、それには愛子様立太子への道筋をつける女性宮家創設が必要なのです。

 掲示板では公共に資する議論を展開して信頼回復に努めたいと思います na85

No.78 138ヶ月前

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