列島が台風とともに入梅し、よしりん師範の気管支を案じる思いが強くなります。よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、配信ありがとうございます。毎回これだけ質の高いコンテンツを極めて安価で読める幸福をかみしめています。 今回の「ゴー宣」も素晴らしい説得力で強く胸に迫ってきました。「この時代の娘の『身売り』が人権侵害だとか、女性の尊厳を踏みにじるものだとか、『人身売買』だとか、『奴隷』に等しいとか言っている者は、娘が身売りせずに、一家全員餓死すればよかったとでも言うのだろうか?」―この言葉は銃弾として口の軽い政治家や無責任なマスコミ人の心の臓の中心に打ち込んでやりたいです。そしてまた良書を紹介していただきました。福田利子氏の『吉原はこんな所でございました』でもっとも衝撃的だったのは、世界恐慌で生糸が売れず製糸工場を解雇され、冷害による不作で実家の農家に食べるものが何もなく、配給のあった戦時中よりひどい飢餓に襲われていたという事実です。降伏して終わることのできない経済戦争が武力による戦争より恐ろしいことがここでも実証されていると思います。だからこそ需要喚起から所得増加につながるはずの満洲事変を国民は支持し、日本の満洲・大陸ブロック圏に食い込むべく様々な嫌がらせをしてきた欧米に一矢報いた大東亜戦争開始の報に多くの人々が快哉を叫んだのでしょう。現代日本のTPP参加という無限経済戦争の開始は、武力戦争でも始めない限り終わることのない地獄の飢餓の始まりだということに気付いている人はどれくらいいるのでしょう。 一家を救うため身売りされざるを得なかった、そのような事情を知れば客は敬意のような感情も抱き、性を売る女性に対しても恋愛感情が生まれやすく、だから年季明けに馴染みの客と結婚することも多かった…このような歴史的事象が絡んだ公娼制度の実態と日本文化に深く根差した日本人の恋愛観は、快楽のための性を禁じるキリスト教倫理と開けっぴろげな米国大衆娯楽文化に二重曝露した戦後日本人には理解が難しく、ましてやキリスト教を国教とする欧米や韓国に言葉で理解させるのは絶望的だと思います。ここはやはり、江戸の美風が残る戦前の吉原遊郭を舞台にした、美しく儚い花魁と粋な江戸っ子の恋愛模様を、廓の中の様々な悲喜劇を絡ませて美麗な映像とともに発信するしかないと思います。世界的に評価の高い北野武監督と世界中のキタニストから浸透させられないかと、薄ーくですが期待してしまいます。 木蘭師範の「ザ・神様」は今回も飛ばしていますね。悪賢いけど抜けている白兎、悪そうだけど騙されやすいワニザメ、本当に意地悪な八十神、正直者でいじめられてるけど試練を乗り越えて英雄になるオオナムヂ…彼らはそれぞれに与えられたキャラクターどおりの役割を演じて大国主物語を彩ります。現代風にアレンジされ、しかも軽妙・絶妙な木蘭テイストが効いてはいますが、古臭いはずの古事記がこれほど読者の感覚にしっくりくるのは日本人の人間観が神話時代から地続きであまり変わっていないからだと思います。優等生オオナムヂが元不良スサノオによる試練を乗り越えて大国主が誕生する成長物語も大いに期待しています。 願わくばTPP下においても日本人らしさを失わずに済みますように… na85
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列島が台風とともに入梅し、よしりん師範の気管支を案じる思いが強くなります。よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、配信ありがとうございます。毎回これだけ質の高いコンテンツを極めて安価で読める幸福をかみしめています。
今回の「ゴー宣」も素晴らしい説得力で強く胸に迫ってきました。「この時代の娘の『身売り』が人権侵害だとか、女性の尊厳を踏みにじるものだとか、『人身売買』だとか、『奴隷』に等しいとか言っている者は、娘が身売りせずに、一家全員餓死すればよかったとでも言うのだろうか?」―この言葉は銃弾として口の軽い政治家や無責任なマスコミ人の心の臓の中心に打ち込んでやりたいです。そしてまた良書を紹介していただきました。福田利子氏の『吉原はこんな所でございました』でもっとも衝撃的だったのは、世界恐慌で生糸が売れず製糸工場を解雇され、冷害による不作で実家の農家に食べるものが何もなく、配給のあった戦時中よりひどい飢餓に襲われていたという事実です。降伏して終わることのできない経済戦争が武力による戦争より恐ろしいことがここでも実証されていると思います。だからこそ需要喚起から所得増加につながるはずの満洲事変を国民は支持し、日本の満洲・大陸ブロック圏に食い込むべく様々な嫌がらせをしてきた欧米に一矢報いた大東亜戦争開始の報に多くの人々が快哉を叫んだのでしょう。現代日本のTPP参加という無限経済戦争の開始は、武力戦争でも始めない限り終わることのない地獄の飢餓の始まりだということに気付いている人はどれくらいいるのでしょう。
一家を救うため身売りされざるを得なかった、そのような事情を知れば客は敬意のような感情も抱き、性を売る女性に対しても恋愛感情が生まれやすく、だから年季明けに馴染みの客と結婚することも多かった…このような歴史的事象が絡んだ公娼制度の実態と日本文化に深く根差した日本人の恋愛観は、快楽のための性を禁じるキリスト教倫理と開けっぴろげな米国大衆娯楽文化に二重曝露した戦後日本人には理解が難しく、ましてやキリスト教を国教とする欧米や韓国に言葉で理解させるのは絶望的だと思います。ここはやはり、江戸の美風が残る戦前の吉原遊郭を舞台にした、美しく儚い花魁と粋な江戸っ子の恋愛模様を、廓の中の様々な悲喜劇を絡ませて美麗な映像とともに発信するしかないと思います。世界的に評価の高い北野武監督と世界中のキタニストから浸透させられないかと、薄ーくですが期待してしまいます。
木蘭師範の「ザ・神様」は今回も飛ばしていますね。悪賢いけど抜けている白兎、悪そうだけど騙されやすいワニザメ、本当に意地悪な八十神、正直者でいじめられてるけど試練を乗り越えて英雄になるオオナムヂ…彼らはそれぞれに与えられたキャラクターどおりの役割を演じて大国主物語を彩ります。現代風にアレンジされ、しかも軽妙・絶妙な木蘭テイストが効いてはいますが、古臭いはずの古事記がこれほど読者の感覚にしっくりくるのは日本人の人間観が神話時代から地続きであまり変わっていないからだと思います。優等生オオナムヂが元不良スサノオによる試練を乗り越えて大国主が誕生する成長物語も大いに期待しています。
願わくばTPP下においても日本人らしさを失わずに済みますように… na85