よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、年末の多忙なスケジュールの中今回も通常通り配信していただきありがとうございます。 「今週のよしりん」を読んで不覚にもちょっと泣いてしまいました。国民の無責任さ・不真面目さ・卑怯さがそのまま現われたような選挙結果を自分の力不足だと言って落ち込むよしりん先生と、なんとか別方向に意識を向けてニヒリズムから立ち直ってもらおうと「国民なんか捨てるべき」「先生ぼんは遊ぶべき」とAKB紅白歌合戦の審査員の話題に振っていくみなぼんとの、青とオレンジの台詞の繰り返しを読み進めているうちにモニター画面が滲んできたのです。そして翌日の歌合戦審査員を終えてすっかり立ち直った悪魔よしりんとのマイタイ・たくあんの件を読んでいると心から安堵したのです。全て読み終わるまでの1時間ほどで喜怒哀楽の起伏を存分に味あわせてくれるライジングはやっぱりすごいと感じた次第です。今回も強いカタルシスを味わうことができました。 今回のゴー宣には言葉の端々からよしりん師範の怒りが迸っているように感じました。投票者・棄権者を問わず国民のうち有権者全てに、この選択の結果起こる参事を受け入れよと迫っているようでした。この選挙の時点でまだ選挙権のない若者や子供たちに後々顔向けできないような結果をもたらすのは最早確実だからです。 安倍氏の紅衛兵であるネトウヨたちが最も期待するのは9つに分類される嘘公約の中でも大規模な公共投資&金融緩和で景気回復するという経済政策だと思われます。これが実現すれば自分たちにも何か楽な仕事が回ってくると夢想していることでしょうから、これに絞って考えてみます。 この論拠は三橋貴明氏の理論でしょう。国の借金は政府が国民から借りているものであり、国債は95%国内金融機関の保有だというものです。しかしこれは、まだまだ国債発行して公共投資できるという論拠にはなっても、雇用回復と景気浮揚を実現して税収増による国債償還がなされることまでは保証しません。 国債発行による公共投資と円増刷の成功例としてよく出される高橋是清ですが、その時代は一次大戦の戦争特需による大正バブルが弾けて長期デフレに入り、関東大震災後の復興需要で持ち直すも若槻礼次郎の緊縮財政で昭和金融恐慌に投入し、そこに米国発大恐慌が加わった特級のデフレの中で浜口雄幸が緊縮財政を行い、不況の底に堕ちていたわけです。供給>需要のデフレのときは政府が需要を作り出す必要があります。需要をつくる公共投資は国内でも勿論やったでしょうけれど、1931年の柳条湖事件以降は満洲開拓需要(満洲へのモノの供給と現地のインフラ整備)と軍需があり、これが失業者を吸収しました。是清としては需要>供給のインフレに突入する前に需要を絞り、本土の国民がモノ不足に陥るのを避けたかったはずですが、軍事費を減らされるのを懸念した軍上層部が是清を政界から排除しようとしたのが226事件の是清暗殺でしょう。貧民のために財界と癒着する政治家を粛清せんと立ち上がった青年将校たちの至純が利用され、景気回復の果実が国民に行き渡る前に次なる貧困に晒されることになります。イケイケどんどんのマスコミ世論と大陸ビジネスで儲けたい資本家に後押しされるように軍は大陸への供給を優先し、そのため国民は所得が低くて飢えるデフレから物がなくて飢えるインフレに急転直下移行させられたわけです。 さて、現代日本には満洲のような植民地もなく、軍備も大きくはありません。そこで安倍政権は国土強靭化というインフラ整備に特化した需要創出を掲げたわけです。論者は建設サービスや物品供給で関連企業にもたらされた所得が投資と消費の形で他業種にも波及する乗数効果を謳いますが、国内での投資に限界を感じている企業や将来不安を拭えないため消費できない国民の手前で乗数効果はストップするはずです。つまり国民所得は増えず税収も上がらず、財政が悪化しても公共投資を止めるわけにもいかず、危険を感じた金融機関が日本国債購入を止め、次第に外債が多くなって海外投資家の売り浴びせによる国債暴落のリスクが出てきます。これはシナ大陸深くに入り込んだ逝け逝けどんどんと同じことではないでしょうか。その上TPPリスクがあり、政府調達=公共事業の外資への開放上限金額低下と入札言語の英語化により、受注するのは米国企業ばかりという事態もあり得るのです。TPPの他の様々なリスクや原発のリスクに加えて国債暴落による財政破綻も考えれば「将来不安を持たずに消費しろ」と言うほうがどうかしており、乗数効果など出てくるはずがありません。以上、経済面からアベノミクス破綻論を考えました。 ではどうすればよいでしょうか。よしりん師範が再三仰ったように二次・三次産業中心から一次産業中心への構造転換=「坂の下の土地を耕せ」です。満洲移住に代わる失業者の吸収先は、脱原発関連事業(廃炉・除染・新エネ開発・電力自由化インフラ整備etc.)と関税強化による一次産業保護&生業化しかないでしょう。脱原発と反TPPはグローバリストに阿るヘタレ政権にはできません。 安倍氏に望むことは、傷が浅いうちに退陣することのみ na85
チャンネルに入会
フォロー
小林よしのりチャンネル
(ID:16221355)
よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、年末の多忙なスケジュールの中今回も通常通り配信していただきありがとうございます。
「今週のよしりん」を読んで不覚にもちょっと泣いてしまいました。国民の無責任さ・不真面目さ・卑怯さがそのまま現われたような選挙結果を自分の力不足だと言って落ち込むよしりん先生と、なんとか別方向に意識を向けてニヒリズムから立ち直ってもらおうと「国民なんか捨てるべき」「先生ぼんは遊ぶべき」とAKB紅白歌合戦の審査員の話題に振っていくみなぼんとの、青とオレンジの台詞の繰り返しを読み進めているうちにモニター画面が滲んできたのです。そして翌日の歌合戦審査員を終えてすっかり立ち直った悪魔よしりんとのマイタイ・たくあんの件を読んでいると心から安堵したのです。全て読み終わるまでの1時間ほどで喜怒哀楽の起伏を存分に味あわせてくれるライジングはやっぱりすごいと感じた次第です。今回も強いカタルシスを味わうことができました。
今回のゴー宣には言葉の端々からよしりん師範の怒りが迸っているように感じました。投票者・棄権者を問わず国民のうち有権者全てに、この選択の結果起こる参事を受け入れよと迫っているようでした。この選挙の時点でまだ選挙権のない若者や子供たちに後々顔向けできないような結果をもたらすのは最早確実だからです。
安倍氏の紅衛兵であるネトウヨたちが最も期待するのは9つに分類される嘘公約の中でも大規模な公共投資&金融緩和で景気回復するという経済政策だと思われます。これが実現すれば自分たちにも何か楽な仕事が回ってくると夢想していることでしょうから、これに絞って考えてみます。
この論拠は三橋貴明氏の理論でしょう。国の借金は政府が国民から借りているものであり、国債は95%国内金融機関の保有だというものです。しかしこれは、まだまだ国債発行して公共投資できるという論拠にはなっても、雇用回復と景気浮揚を実現して税収増による国債償還がなされることまでは保証しません。
国債発行による公共投資と円増刷の成功例としてよく出される高橋是清ですが、その時代は一次大戦の戦争特需による大正バブルが弾けて長期デフレに入り、関東大震災後の復興需要で持ち直すも若槻礼次郎の緊縮財政で昭和金融恐慌に投入し、そこに米国発大恐慌が加わった特級のデフレの中で浜口雄幸が緊縮財政を行い、不況の底に堕ちていたわけです。供給>需要のデフレのときは政府が需要を作り出す必要があります。需要をつくる公共投資は国内でも勿論やったでしょうけれど、1931年の柳条湖事件以降は満洲開拓需要(満洲へのモノの供給と現地のインフラ整備)と軍需があり、これが失業者を吸収しました。是清としては需要>供給のインフレに突入する前に需要を絞り、本土の国民がモノ不足に陥るのを避けたかったはずですが、軍事費を減らされるのを懸念した軍上層部が是清を政界から排除しようとしたのが226事件の是清暗殺でしょう。貧民のために財界と癒着する政治家を粛清せんと立ち上がった青年将校たちの至純が利用され、景気回復の果実が国民に行き渡る前に次なる貧困に晒されることになります。イケイケどんどんのマスコミ世論と大陸ビジネスで儲けたい資本家に後押しされるように軍は大陸への供給を優先し、そのため国民は所得が低くて飢えるデフレから物がなくて飢えるインフレに急転直下移行させられたわけです。
さて、現代日本には満洲のような植民地もなく、軍備も大きくはありません。そこで安倍政権は国土強靭化というインフラ整備に特化した需要創出を掲げたわけです。論者は建設サービスや物品供給で関連企業にもたらされた所得が投資と消費の形で他業種にも波及する乗数効果を謳いますが、国内での投資に限界を感じている企業や将来不安を拭えないため消費できない国民の手前で乗数効果はストップするはずです。つまり国民所得は増えず税収も上がらず、財政が悪化しても公共投資を止めるわけにもいかず、危険を感じた金融機関が日本国債購入を止め、次第に外債が多くなって海外投資家の売り浴びせによる国債暴落のリスクが出てきます。これはシナ大陸深くに入り込んだ逝け逝けどんどんと同じことではないでしょうか。その上TPPリスクがあり、政府調達=公共事業の外資への開放上限金額低下と入札言語の英語化により、受注するのは米国企業ばかりという事態もあり得るのです。TPPの他の様々なリスクや原発のリスクに加えて国債暴落による財政破綻も考えれば「将来不安を持たずに消費しろ」と言うほうがどうかしており、乗数効果など出てくるはずがありません。以上、経済面からアベノミクス破綻論を考えました。
ではどうすればよいでしょうか。よしりん師範が再三仰ったように二次・三次産業中心から一次産業中心への構造転換=「坂の下の土地を耕せ」です。満洲移住に代わる失業者の吸収先は、脱原発関連事業(廃炉・除染・新エネ開発・電力自由化インフラ整備etc.)と関税強化による一次産業保護&生業化しかないでしょう。脱原発と反TPPはグローバリストに阿るヘタレ政権にはできません。
安倍氏に望むことは、傷が浅いうちに退陣することのみ na85