mantokun のコメント

歴史的に見れば皇位継承は男系が基本で、次代に即位可能な直系男子がいない場合は女系かつ女子でも即位することができた、という原則だっただけだと思うのですが…。それにしたって、第二次世界大戦までは武力を背景にした弱肉強食の世界だったことや、王族は側室を持つことが許容されていたから子供が生まれる数も多く、男性が継ぐのが都合が良かった&その原則でも続けてこられただけであって、男系男子固執派が言うような「天皇の位は男系男子しか継げないから尊いんだー!」なんてものじゃないですよね。彼らは結果を見て原因だと勘違いしている。男でさえあれば即位できるんだったら、逆に皇位のどこにありがたみがあるのか、納得できるよう教えてほしいものです。(納得どころか聞けば聞くほど不快になるだけですが)

古代で言えば、文武天皇は父の草壁皇子が亡くなった時点では、皇女を母に持つ天武天皇の息子(舎人皇子、長皇子、弓削皇子など)達がまだいたし、孫世代にしても年齢が若く、普通に考えたら即位資格はなかった。アドバンテージとしては父が皇太子だったことくらいで、その皇太子位にしても草壁皇子の生母の鸕野讃良が皇后だったことによるもの。
鸕野讃良は、草壁皇子の血を引く男子の孫に位を継がせるため、わざわざ自身が即位することで草壁皇統をいわば底上げしており、皇位継承にあたっては女系の血統も優先されていたことがこの点からも分かります。(後に聖武天皇の皇太子に阿倍内親王が立てられたときも、それに先立ち生母の藤原安宿媛を皇后に立てており、母の血統で底上げする策が踏襲されている)

基本は男系男子で皇位を継いでいても、決定打がない時は女系の血筋を皇位継承資格の優先順位に含むということなので、これも双系と言っていいのではないかと思うのですが。
女子が継いだ例があっても男系の女子だったから双系とは言えないとの論点も理解できなくはありませんが、そもそも男性原理社会のもとで成立して1500年(少なく見積もって)続いてきているので、男系継承を不滅の原理とする男系固執派に話を合わせていても仕方がないと思います。「男系継承で続いてきたことは結果であって、それ自体が尊いのではない」と思っています。
というか、現代を生きる日本人としては、あれだけ心身を国民のために尽くしてくださった上皇陛下の直系で続いてほしいです。700年前まで遡らないと天皇に行きつかない一般人男性になんて敬意持てないし知らないし、興味ありませんって。

No.69 17ヶ月前

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