>>170 ねこみみさま。あたたかいアドバイス、ありがとうございます。 どうも私はSNSには不向きのようです。少し距離を置くことにします。 …ということで、ここまでしつこく続けてきた「双系」に関する私のコメントも、終わりにしようと思ったのですが…。 先ほど、今週号のSPAを読みました。ああ、だめだ、どうしても見過ごせない。最後のページの、小林先生のセリフ。 「竹田恒泰は明治天皇の女系の玄孫だから…」 うーん、小林先生、本当にそれでいいのですか。 もう何度も言わなくても分かってるよ、と皆様に怒られそうですが、 血統論(皇統論)の文脈では、定義上、「男系」とは「父の父の父の…」とさかのぼって皇祖にたどりつくラインのこと。そして「女系」とは「母の母の母の…」とさかのぼって貢租にたどりつくラインのこと。これは、もう簡単には動かせないくらい定着してしまっている定義です。 国語辞典の類には、ふつう次のように説明してあります。 男系:男子だけで継承していく家系。また、父方の血筋。 女系:女から女へと相続のつづく家系。巫女などの場合のように、女が次々に受け継ぐ系統。 そして竹田恒泰がどのようにして明治天皇につながるかというと、 竹田恒泰 ⇒ 父(竹田恒和)⇒ 祖父(竹田宮恒徳)⇒ 曾祖母(昌子内親王)⇒ 明治天皇 …というラインによってです。もしもこの上の皆さんが全て男性ならば、このラインは「男系」です。逆に、上の皆さんが全て女性ならば「女系」となります。そうしますと、このラインは男性数人と女性一人(昌子内親王)が混ざっているので、皇統論においては竹田恒泰は「男系でも女系でもない」ということになるのです。(*彼が男系で遠く崇光天皇に繋がることはここでは触れないでおきます) 小林先生、竹田恒泰は「明治天皇の『女系』の玄孫」ではありません。 正しくは、竹田恒泰は「明治天皇の『双系』の玄孫」です。 「双系」とは何か。ある遠い祖先(ここでは明治天皇)にさかのぼるのに、父子関係と母子関係の両方が混合しているケースを、人類学の分野では「双系」と呼びます。 この「双系」の概念は、従来の皇統論においては存在しませんでした。それゆえ、私たちはまず「双系」の意味を明確に理解し、公論の場で、今後はこの概念がキータームになるということを宣言しなければなりません。 大急ぎで付け加えますが、やはり厳密に言うならば、欽明天皇も元正天皇も「女系天皇」ではありません。なぜならこの方々は「母の母の母の母の…」というラインで家系図を遡っていくと皇祖にたどりつかないからです。 小林先生、欽明天皇と元正天皇は「女系」の天皇ではありません。「男系」かつ「双系」の天皇、「男系」としても「双系」としても解釈できる天皇、というのが正しい言い方です。 欽明と元正は「双系」の天皇とみなし得る、という言い方なら、それ自体は論理的には否定したり拒否したりすることはできないはずなのです。 私が言いたいのは、しっかりと、確実に、相手を追い詰めていかなければならない、ということです。 私たちが「かつて元正天皇という『女系』天皇が存在したのだから、愛子さまのお子様が天皇になってもおかしいことはない」と主張しても、男系固執派は「何を言ってるんだ、(従来の言葉の定義に則れば)元正は確実に男系の天皇じゃないか」と言われて、そこで議論がストップしてしまうのです。 議論をストップさせる隙を与えてしまったら、相手は時間切れをねらっているわけですから、こちらの負けです。 相手に時間稼ぎをさせないためには、まず血統論において「男系」でも「女系」でもない「父子関係と母子関係の混合からなる血統」のことを人類学の概念を借りて「双系」と呼ぶよ、これは価値の問題ではなく、全く客観的な定義の問題だよ、と相手に明確に宣告しなければなりません。 これをやることで、はじめて私たちは、一つの価値観と、もう一つの価値観との、同じ土俵での対決に持ち込むことができます。 あなたたちは、古いもの長く続いたものはそれだけで尊重・死守すべきだという価値観、天皇の本質は男系の血筋によってのみ引き継がれていくという価値観を持っている。 私たちは、古いもの長く続いたものであっても変化すべきときには変化すべきであるという価値観、皇統の本質は双系の血筋で引き継がれていく、この意味で男と女には優劣はない、という価値観を持っている。 この土俵において、やっとお互いの価値観同士の戦いに持ち込めるのです。どちらの価値観が、これからの日本人にとって望ましいものであるか、大いに議論すればいい。 …と、そのようなことを考えるのですが、 いや、大事なことは、結果として愛子さまが天皇となり、そのお子様が皇位を引き継げるように、早期に皇室典範を改正することであり、この目標の早期実現のためには「男系・女系・双系」の言葉の用い方の問題など、些末なことに過ぎないのかもしれません。 うん、そうなのかもしれない…。 さて、私はしばらく静かにすることにします。 うさぎより
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>>170
ねこみみさま。あたたかいアドバイス、ありがとうございます。
どうも私はSNSには不向きのようです。少し距離を置くことにします。
…ということで、ここまでしつこく続けてきた「双系」に関する私のコメントも、終わりにしようと思ったのですが…。
先ほど、今週号のSPAを読みました。ああ、だめだ、どうしても見過ごせない。最後のページの、小林先生のセリフ。
「竹田恒泰は明治天皇の女系の玄孫だから…」
うーん、小林先生、本当にそれでいいのですか。
もう何度も言わなくても分かってるよ、と皆様に怒られそうですが、
血統論(皇統論)の文脈では、定義上、「男系」とは「父の父の父の…」とさかのぼって皇祖にたどりつくラインのこと。そして「女系」とは「母の母の母の…」とさかのぼって貢租にたどりつくラインのこと。これは、もう簡単には動かせないくらい定着してしまっている定義です。
国語辞典の類には、ふつう次のように説明してあります。
男系:男子だけで継承していく家系。また、父方の血筋。
女系:女から女へと相続のつづく家系。巫女などの場合のように、女が次々に受け継ぐ系統。
そして竹田恒泰がどのようにして明治天皇につながるかというと、
竹田恒泰 ⇒ 父(竹田恒和)⇒ 祖父(竹田宮恒徳)⇒ 曾祖母(昌子内親王)⇒ 明治天皇
…というラインによってです。もしもこの上の皆さんが全て男性ならば、このラインは「男系」です。逆に、上の皆さんが全て女性ならば「女系」となります。そうしますと、このラインは男性数人と女性一人(昌子内親王)が混ざっているので、皇統論においては竹田恒泰は「男系でも女系でもない」ということになるのです。(*彼が男系で遠く崇光天皇に繋がることはここでは触れないでおきます)
小林先生、竹田恒泰は「明治天皇の『女系』の玄孫」ではありません。
正しくは、竹田恒泰は「明治天皇の『双系』の玄孫」です。
「双系」とは何か。ある遠い祖先(ここでは明治天皇)にさかのぼるのに、父子関係と母子関係の両方が混合しているケースを、人類学の分野では「双系」と呼びます。
この「双系」の概念は、従来の皇統論においては存在しませんでした。それゆえ、私たちはまず「双系」の意味を明確に理解し、公論の場で、今後はこの概念がキータームになるということを宣言しなければなりません。
大急ぎで付け加えますが、やはり厳密に言うならば、欽明天皇も元正天皇も「女系天皇」ではありません。なぜならこの方々は「母の母の母の母の…」というラインで家系図を遡っていくと皇祖にたどりつかないからです。
小林先生、欽明天皇と元正天皇は「女系」の天皇ではありません。「男系」かつ「双系」の天皇、「男系」としても「双系」としても解釈できる天皇、というのが正しい言い方です。
欽明と元正は「双系」の天皇とみなし得る、という言い方なら、それ自体は論理的には否定したり拒否したりすることはできないはずなのです。
私が言いたいのは、しっかりと、確実に、相手を追い詰めていかなければならない、ということです。
私たちが「かつて元正天皇という『女系』天皇が存在したのだから、愛子さまのお子様が天皇になってもおかしいことはない」と主張しても、男系固執派は「何を言ってるんだ、(従来の言葉の定義に則れば)元正は確実に男系の天皇じゃないか」と言われて、そこで議論がストップしてしまうのです。
議論をストップさせる隙を与えてしまったら、相手は時間切れをねらっているわけですから、こちらの負けです。
相手に時間稼ぎをさせないためには、まず血統論において「男系」でも「女系」でもない「父子関係と母子関係の混合からなる血統」のことを人類学の概念を借りて「双系」と呼ぶよ、これは価値の問題ではなく、全く客観的な定義の問題だよ、と相手に明確に宣告しなければなりません。
これをやることで、はじめて私たちは、一つの価値観と、もう一つの価値観との、同じ土俵での対決に持ち込むことができます。
あなたたちは、古いもの長く続いたものはそれだけで尊重・死守すべきだという価値観、天皇の本質は男系の血筋によってのみ引き継がれていくという価値観を持っている。
私たちは、古いもの長く続いたものであっても変化すべきときには変化すべきであるという価値観、皇統の本質は双系の血筋で引き継がれていく、この意味で男と女には優劣はない、という価値観を持っている。
この土俵において、やっとお互いの価値観同士の戦いに持ち込めるのです。どちらの価値観が、これからの日本人にとって望ましいものであるか、大いに議論すればいい。
…と、そのようなことを考えるのですが、
いや、大事なことは、結果として愛子さまが天皇となり、そのお子様が皇位を引き継げるように、早期に皇室典範を改正することであり、この目標の早期実現のためには「男系・女系・双系」の言葉の用い方の問題など、些末なことに過ぎないのかもしれません。
うん、そうなのかもしれない…。
さて、私はしばらく静かにすることにします。
うさぎより