勤務医時代は、心のどこかで少し疑問があっても延命治療をするものだと考えていたし、そこに疑問を挟むと上司や患者家族から責任を問われそうだという思いがあった。
開業して高齢の方が体が不自由ながら通院されると、それだけで偉大だと感じ愛おしくなり、好きにさせてあげたいと思うようになった。
(でも、好きにさせてあげようと思って80代後半以降の方に食べたほうが良いもの・食べないほうが良いものを質問された時に好きなものを食べて気持ちよく生活してくださいというと、中には、気をつけた食生活をしているのに、あの医者は見離したようなことを言うと怒る方もいるので難しい。)
おじが末期がんで入院して面倒をみていたら、いよいよ考え方が変わった。
人間誰でも死ぬ。不自然な延命はやめて本人の気持ちを尊重しようと思うようになり、覚悟を決めた。
おじが亡くなったのがコロナ禍前だったのが救いだった。