皆さんも既に読んでいる、「世界のゴー宣ファンサイト」コメント欄から、引用させてもらって良いでしょうか？
(大変申し訳ありません、メインの文章だけ抜粋させて頂きました)

mantokun (日曜日, 14 8月 2022 12:55)

竹田恒泰が言う「男系継承だけで2000年続いた」は天智天皇即位の時点で破綻していますが、彼らは古来、皇位継承にあたって直系につながる女系の血筋も不可欠な条件と見なされたことを全く理解していません。

私は福井県出身ですが、2007年は福井県出身とされる継体天皇が即位されて1500年に当たる年ということで、地元が非常に盛り上がっていました。この継体天皇は日本書紀によれば即位時すでに57歳であったので、当然地元（当時は越国）ですでに数多のお妃を娶り、後継の息子たちも生まれていました。

継体天皇は当時の大和朝廷に君臨していた天皇とは5代も血筋を隔てていたため、朝廷では継体天皇やその息子（長男と次男を伴っていた）たちを警戒していたと言われます。そこで、継体天皇とその息子たちは、前代の天皇に連なる皇女たちを娶ることで血筋の正当性を担保しました。つまり1500年前の古代人ですら、皇位継承者が絶えようとしているとき、いかに天皇の血を引いた男系男子であっても直近で続いてきた直系の血筋の女子を重んじたのです。

もしこの時、竹田らのような男系男子絶対派がいたら喜び勇んで、「継体天皇御一家を丸ごと越国からお迎えしましょう！男子がたくさんいるなんてさらに好都合、息子さんもみんな呼び寄せてください」とか言ってそうですね。だって男系男子の血さえ引いていれば、直系の娘がいても無視して、現在の天皇から600年離れた血筋の人を天皇にするのが正しいとか主張してるんですから。5代なんてめっちゃ近いじゃん！とすら思ってそうです。

1500年前の古代人は竹田恒泰やその取り巻きみたいな教条主義的な男尊女卑思想は持っていませんから、直系の血筋を重視しました。いかに男系男子の血を引き、人柄や能力も優れていようと、直系から血筋が離れていたら「王朝交代」と見なされ求心力がなくなり、人心に動揺が生まれることを当時の人たちはよくわかっていたのでしょう。男系の血を引く男子でさえあればいいのなら、逆に候補者が際限なく増えてしまい血筋なんかどうだってよくなってしまう、そうなれば単に財力や武力に優れた者が次々と頂点に君臨しようとして収拾がつかなくなります。世襲で重要なのはまず何より直系であることです。男子であることを唯一絶対条件にしてコロコロ傍系の血筋の者をあっちからこっちから引っ張って即位させるなんて、もはや世襲でも何でもない。単に頻繁に王朝交代しているだけのニセ権威ですよ。