希蝶 のコメント

 Q&Aで称徳女帝と藤原仲麻呂のことをあげられていたかたがいたので、自分の理解していることを記します。
 多分、女帝と仲麻呂の間は愛人関係ではないでしょう。
 仲麻呂には大炊王(淳仁天皇)という傀儡の天皇がおり(亡き長男の未亡人を天皇の皇后にした、という関係です)、天皇の名を借りて、新政を行うことの方が主眼だったように思えます。あまり孝謙女帝を利用しようとかいう考えはなかったと思う。「問民苦使」とか「常平倉」とかいうのを設置し、徳のある善政を行おうとしたようですが、その権力奪取の手段が「橘奈良麻呂の変」とか非常にあくどい手段であり、また大陸の唐の「安史の乱」に乗じて朝鮮半島の「新羅遠征計画」という無謀な戦役を起こそうとしたこともあって、権力失墜へと至ったようです。
 また彼が本当に癒着していたのは女帝の母親である光明皇太后の方で、「紫微中台」という皇后直属の機関から成り上がってきたわけで、よって皇太后の崩御とともに権力を失っています。
 どうも称徳天皇は道鏡事件といい、何だか歴史家から損な印象や評価を与えられている、そんな気がします。歴史を見る場合、先入観にとらわれてはならない、ありのままの事象を明鏡止水に見て、その人物や集団が実際にどういう行動をどういう目的でしたのかを見なければならない、と思う次第です。
 でも、とても興味深い質問でした。なお、僧侶は原則として結婚できないのが前近現代の日本の常識で、現代でもカトリックとか厳密な仏教徒の間ではそのようであるようです。

 ちなみに「新おぼっちゃまくん」の件なんですが、先週の金曜日に書店へ行ったところ、過去の「おぼっちゃまくん」の文庫本と勘違いされて、「1巻と2巻の両方とも註文しますか?」と頓珍漢なことを訊ねられるし、今日書店へ行ったときには「15日発売です」と言われる。いったいどうなっているんだ~です。
 先日の道場でサイン本をゲットできたのだから、読めるのですが、やはりサイン本はサイン本として宝物にしてしまっておきたいので、はやく入手したいです。

 以上、ライジング本文とは関係ない話で、すみませんでした。

No.15 30ヶ月前

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