希蝶 のコメント

 木蘭さんのブログに関連して、変な例をまたあげてみます。「スレイヤーズ」というファンタジー小説があり、アニメにもなった話だから、知っている人も多いと思いますが…。
 未読のかたのために紹介しますが、スレイヤーズというのは、リナ・インバースという魔導師のヒロインがガウリーという剣士の相棒とともにファンタジー世界を駆け巡る冒険小説なのですが、その中にゼロスという魔族の神官が登場し、リナに協力するかと思いきや、魔族の利益のためにリナたちを利用するといった行為を繰り返します。しかし、リナたちはそういうゼロスのことを知りつつ、友人としてつきあっているといった関係です。
 アニメの第三部に、リナたちと同行する龍族の巫女というのがいて、ゼロスが敵方とリナの命を取り引き材料に使うという場面に出くわし、「やはりこいつは魔族だ」と敵意をむき出しにするのですが、その有様を後でリナたちに報告したところ、リナたちは「ふうん」と返し、ゼロスに「そんなことをしちゃ駄目じゃない」とか言って許してしまうという場面があります。最初、この場面を視聴した際に、奇妙なシーンだ、と私は思いましたが、ロシアメディアを信奉するかたがたに足りないのは、こういうところではないのか、と私は思うのです。つまり、人間とはそれぞれ何かの意図があって行動をするわけで、ふぐ料理を食べるのに毒に注意するようにして、危険である部分とそうでないところを仕分けする、という行為を繰り返しているのではないか、と。
 ゼロスは魔族だけれども、親しみやすく、リナたちにも個人的には好意を持っているのかもしれない。しかし、彼が魔族であるという事実には変わりはなく、魔族の利益を代表して行動していることの方が多いのだ。同じように、ロシアメディアもロシアという国家のために動いているのであって、かりにコロナワクチンの危険性について真剣に訴えようとしているものがあったとしても、最終的にはロシアという国の国益に結びつくようになるのだ。こういうことが、陰謀論者には理解できないのでしょうか。
 勿論、人間のつきあいにはそういう利害関係ではなく、心から信頼し合い、仲良くできる場合もあるだろう。しかし、究極のところでは「個人」と「個人」であることも理解しないといけない。だから、コロナ騒動でも意見が食い違う場面も生まれるわけです。
 以上、あまりうまく表現できないけれども、簡単ながらもつけ加えてみました。つまらない話で、すみませんでした。
(先に投稿したものを少し補訂しました)

No.158 31ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細