「善悪二元論を否定する心理」を読んで、私は以前、教師だった妻の叔父とした会話を思い出しました。妻叔父は「朝日平吾の鬱屈」という本を読み、大正時代に政治的活動の果てに著名実業家を殺めて自殺した朝日平吾と、秋葉原無差別テロ事件の犯人は似ているという意見でした。どちらも自爆テロのようなものだろうと。それに対して私は、やったこと自体は確かに似ているけれど、朝日平吾のテロは朝日自身としては本望だっただろうと思うのに対し、秋葉原無差別テロの方は、行為自体は決して許せないけれど、犯人の本望ではなかったのではないかと、そんな話しました。今思えば、まるで私は秋葉原テロ犯人を「悪とは決めつけられない」という意見だと思われたかも知れません。 私は決して秋葉原テロ犯人を擁護する気はありませんし、もしその場に居合わせていたとしたら私は犯人を容赦なく(自粛)。そして「こいつにも事情があったのだろう」などとは、その場では考えません。殺され傷つけられた人がまわりにいるのに。 就職難とか、賃金の低迷とか、自己責任論が強くて優しくない風潮だとか、自爆テロやいわゆる拡大自殺を起こす要因については議論が必要だと思いますけれど、進行中の現場で言うことではないし、犯人を擁護する理由にもならないと思います。
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小林よしのりチャンネル
(ID:96938660)
「善悪二元論を否定する心理」を読んで、私は以前、教師だった妻の叔父とした会話を思い出しました。妻叔父は「朝日平吾の鬱屈」という本を読み、大正時代に政治的活動の果てに著名実業家を殺めて自殺した朝日平吾と、秋葉原無差別テロ事件の犯人は似ているという意見でした。どちらも自爆テロのようなものだろうと。それに対して私は、やったこと自体は確かに似ているけれど、朝日平吾のテロは朝日自身としては本望だっただろうと思うのに対し、秋葉原無差別テロの方は、行為自体は決して許せないけれど、犯人の本望ではなかったのではないかと、そんな話しました。今思えば、まるで私は秋葉原テロ犯人を「悪とは決めつけられない」という意見だと思われたかも知れません。
私は決して秋葉原テロ犯人を擁護する気はありませんし、もしその場に居合わせていたとしたら私は犯人を容赦なく(自粛)。そして「こいつにも事情があったのだろう」などとは、その場では考えません。殺され傷つけられた人がまわりにいるのに。
就職難とか、賃金の低迷とか、自己責任論が強くて優しくない風潮だとか、自爆テロやいわゆる拡大自殺を起こす要因については議論が必要だと思いますけれど、進行中の現場で言うことではないし、犯人を擁護する理由にもならないと思います。