希蝶 のコメント

〇 ゴーマニズム宣言・第460回「善悪二元論を否定する心理」
 (もくれんさんのところで記したことと矛盾しますが)先にも記しましたように、私はウルトラシリーズの善悪二元では推し量れない話も好きです。好きなミステリーに「能面殺人事件」という作があるのですけれども、「白と黒ではない、灰色の存在」という言葉にも惹かれるものがあります。思春期の頃に読んだ作なので、とりわけ印象に残っているのですけれども。
 デビルマンの話がでていましたが、私は漫画版「キカイダー」のラストシーンもかなりトラウマになっています(さらうどんさん、ごめんなさい)。「しかし、ピノキオは人間になって本当に幸せになったのだろうか」。

 ということを踏まえた上で、キカイダーの場合を述べるのですが(未読の人はごめんなさい)、あの場合、アーマゲドンゴッドやハカイダーを阻止するのに、ジロー=キカイダーのした決断は正しかった、というしかないのです。ハカイダーに洗脳された仲間を倒し、ハカイダーも倒したことで、(デビルマンとは異なり)世界を、人類を救うことができたのだから。その結果、ジローは善と悪との永遠の闘争に悩まされることになったのだけれども、それは人間だったらしょうがないことで、良心だけの人間もいなければ、悪意だけの人間もいないだろう、ただし、だからといって、積極的に悪いことをしていいことにはならない、善悪の基準は確実に存在するのだ、ということではないのでしょうか。

 もう一つ感じたのは、よしりん先生が「大久保利通」を嫌う理由が何となく理解できた、ということなのですが、おこがましいのでしょうか。私は個人大久保には西郷への思いがあったという考えで、死の直前に西郷からの手紙を読んでいたというくだりで同情してしまうのですが(まだそんなことを言っているのか、と笑ってもよいです)、それは個人の業績や評価とはまるで関係ない、その人間が歴史に及ぼした効果の是非をはっきりしないと、相対主義に堕すのだろうと思いました。のちの歴史に及ぼした影響が肝腎だということなのでしょうか。
 プーチンの場合もそれと同じで、「大久保にも言い分がある」という論理と同じなのではないか、と思いました。かりにいじめられる方に原因があるとしても、客観的にみて、他者に危害を加えたり、暴力をふるう方が悪い他国を征服する方が悪いというのは当然の帰結ではないのでしょうか。それだけのことだと思うのですが。日本の防衛という見地からすると、現代の情勢は島国であるという日本の地形はまるで防衛に役立っていないから、何らかのルールが必要で、そのためにも国際法とか核兵器による防衛は要るのではないか、と思う。だからといって、日本にアメリカが核兵器を落として被爆国にした責任を問う資格が失われるわけではないし、日本人が反核運動の中心になる権利が失効することにもならないと。
 以上が私の感想なのですが、そこにNATOの脅迫とか、ディープステートとかQアノンとかいう何だかクリスティーの「ビッグ4」のような子供だましの発言が出てくる。私もかなり物事を複雑に考える方ですが、変な陰謀論はかえって幼稚なのではないか、という気がします。こんなところです。

 ウルトラシリーズの例外を云々するのは、それらのことを分かった上でだと思います。

 ということで、今回もだらだらとすみませんでした。青ネギさん、しゃべクリのMVPおめでとうございます。前号の笛ネタともども楽しませてもらいました。ほかのかたがたの投稿も面白かったです。
 Q&Aでは神真都Q(これで「ヤマトキュー」と読むのは無理があるのでは)のワクチン強奪事件は逆効果だろうとわたしも思います。一般の人に訴えかける効果もないですし。
 最後に、遅くなりましたが5月の当選メール、有り難うございます。憲法記念日が楽しみです。
 それでは次号を期待します。

No.190 30ヶ月前

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