基礎医学研究者 のコメント

>>241

ただしさん
基礎医学研究者(キソイ)でございます。まず、我々関西支部チームの感想会を聴いていただき、ありがとうございました。そして、詳細なコメント、および過分なお言葉、恐縮でございます。特に、「是非、また次回も見てみたい!」といっていただけましたのは、最高の誉め言葉で、関西支部チームを代表して非常に励みになりました(私個人としては、だふねさんの“仕切り”がありましたので、安心して話すことができました(^_^)。

井上先生のオミクロンに対するお話しが、科学の面からも納得がいくものだったという話しも、大変興味深かったです。
 あと、声が通る☆
(≧∇≦)

→さて、私へのコメントについて、この機会を利用して少し補足させていただきました。

自分の発言で、「ウイルスが宿主(この場合はヒト)にとりつくための受容体(レセプター)をどのように決めているのかは誰にもわからないはず!」としたのは、ウイルスのレセプターはウイルスが自分の配列に変異を導入し(これは、ウイルスのRNA(ゲノム)の複製時に生じるエラーのことを指します)、様々な進化実験を行った結果として、ウイルスがうまくヒトに適応できるような形である種のレセプターが選択された、というのが、実際に伝えたかったことであります。そもそも論として、ヒトの受容体はウイルスのために用意されているわけではなく、本来は、完璧ではありませんが、ヒトの生態活動(主として恒常性、代謝)を維持するために機能しているはずだからであります。

それで、もしそうだとするのならば、Ο(オミクロン)株においてスパイクタンパク(約1100アミノ酸)のうち32ヶ所の変異が入ってしまうのならば、それはデルタ株も含めて「元のSARS-COV2のスパイクタンパクとは別のタンパクに近いのではないか!」と、思ったわけです。実際の株の間で系統樹を描かせたデータを見ると、オミクロン株はデルタ株とは全然別の独立した系統になっていました(かなりざっくりした説明ですが、それぞれの株のアミノ酸配列を並べて、数学でいうクラスター分析というものを行うと配列の類似度により、類縁関係(進化的な関係)がわかります)。

そして、井上先生のお話では、おそらくはさらに範囲を広げて、コロナの土着ウイルスにまで上記のクラスター解析を適用すると、土着ウイルスのうち、おそらくHCV-229Eの方がむしろ進化的な関係が近いこと、およびオミクロン株は普通の風邪のような感染経路であること(すなわち、呼吸気道に発現が豊富であること)より、オミクロン株のレセプターは、ACE2とは異なり、気道細胞の表明に提示される膜タンパクであるCD31/アミノペプチダーゼNと推測されたのだと思われました(この辺、私、原典に当たっていないので、あくまでも、これまでの知見と照らし合わせての私の予想であります)。

さらに話が前後しますが、「32ヶ所もアミノ酸配列に変異が・・・」というのは、分子進化を多少知っているものからすると結構ものすごい変化が起こっていることを意味し、いくらコロナがRNAウイルスで変異率が高いといっても(ヒトのゲノムが1.5*10^-8/年に対してコロナは~2.5×*10^3/年なので、だいたヒトの15万倍くらいのスピード)、これだけのアミノ酸を変異させるのはかなり困難である、と直感的に感じたためであります。そうすると、SARS-COV2とは異なるコロナ株から配列に変異を導入するほうが進化的にシンプルなのではないか?と予想しての発言でありました。

以上、長々と書いてしまいましたが、こんな話を感想会ですると科学談義(?)のようになってしまうので(;^_^A、この機会に書かせていただきました(この辺りは、また2月のオドレらでも掘り下げられるのかもしれません)。

以上、お礼および御参考までに
基礎医学研究者

No.269 35ヶ月前

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