今週のモクレン・レポートを読みました。マスコミがオミクロンの恐怖を煽りまくれば、現実と乖離した異常な行動制限すらも正当化されてしまう。これは、いまや日本人の多くが世間体を守ることが唯一の倫理だと思い込んでいるからですね。バカじゃねーのと私などは思いますが、当人たちは至って真面目だからうんざりします。

冬場に風邪が流行って人が寝込むのは仕方がないこと、これが本来の「世間の常識」です。これが煽りマスコミにかかると、風邪でも重症化する人がいるんだから行動を自粛すべきだ、になる。風邪そのものに効く薬なんてない、これが本来の常識ですが、風邪の予防に高熱が出て死ぬかもしれないワクチンを打て、がコロナ禍の「医者の常識」です。新型インフルエンザ等対策特別措置法が行動制限の法的根拠なのに、そのインフルエンザと碌に比較しないのが「政治家や専門家の常識」でした。

現代の世間は、庶民の伝統的な生活実感から大きく乖離してはいないか。我々が常日頃世間だと認識していたものは、多様な情報媒体とそれを握る連中が都合よく作り上げた幻想に、すっかりと乗っ取られたかのようです。陰に陽に広告に金を出せる連中が世間の流れを決めていき、それに従うのが善であり、世間体を守る行動とされてしまっている。意見広告運動はそれを逆手に取ったものでしょう。ただ、札束で政府や大企業と殴り合ったら負けるに決まっていますから、大事なのは中身です。中身をちゃんと見ることができる常識がまだ人々に残っているか、それが試されているのだと思います。