みっど のコメント

今回も濃密な内容ありがとうございました。
TPPについての考察は非常に勉強になり、特に先週の「贅沢品」と「必需品」を分ける考え方には目から鱗が落ち、これまですっともやもやしていたことが明確に考えを整理できるようになりました。

安倍自民党はTPPについて「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」という曖昧な表現に終始しています。これではよしりん先生が言われる通り、ほとんどのTPP反対派から「本当はTPP参加希望だけど選挙前だからJAの機嫌取ってるんでしょ!」と思われているのではないでしょうか。
確かに「本音はTPP賛成だがJAに配慮して曖昧化」である可能性もありますが、私は逆に「本音はTPP反対だが経団連やアメリカに配慮して曖昧化」なのではないかと思い始めています。

自民党の政権公約を見ると、TPPについては関税の問題だけでなく、国民皆保険や食の安全を守る、ISD条項には合意しない、など反TPP派(もちろん私もそうです)から見ると痒いところに手が届いている表現です。特にTPP推進派が話題に出したがらないISD条項について言及したことは驚きです。
もし安倍さんの本音がTPP賛成で、JA票のために曖昧化しているのであったら、テレビマスコミと同じようにTPPを農業問題に矮小化して関税についての危惧のみを表明するのではないでしょうか。一般人にまだあまり知られていないISD条項などを持ちだす必要はないはずです。

極めつけは安倍さんが生出演した先日のサタデーずばっと。
(動画はこちら→http://www.nicovideo.jp/watch/sm19425047)
日本は既に関税を充分に下げ開国していると語り、ISD条項の危険性についても語っていました。非常に熱心な語り口で、どこからどう見てもTPP反対論者にしか見えませんでした。
この掲示板で安倍さんのことを良く書くのは勇気が要りますが(笑)、みなさんに上記の動画を見ていただいて各自でご判断していただければと願います。
少なくとも私の目には「本当はTPP賛成だけどJA票のためにごまかそう」という姿勢には見えませんでした。生放送で約7分間にわたってTPPの危険性を語り続けていましたが、日本の農業について1秒も言及していませんでした。

安倍さんが構造改革派であったことや、TPPについても以前賛成の立場を取られていたことを、私も知っています。
おそらく安倍さんはその後TPPについて学び(偉そうな表現ですいません)考えを改められたのではないでしょうか。もしかするとよしりん先生の「反TPP論」を読まれたのかもしれません。

今後具体的に脱TPPするには、もちろん日本未来の党が議席を伸ばすことが必要で、私もそちらに投票予定です。ただTPP反対を表明している未来の党と社民党、共産党などで過半数を取れるわけはないので、現実的にTPPを阻止するとなると自民党と連携するしか方法はないと思います。(民主党や維新の会は実質TPP推進なので)
ただ選挙後の新政府がTPPに否定的な政策を取ろうすると、必ずや経団連、米国資本企業の代弁者たるテレビマスコミが偏向報道でつぶしにかかるはずです。安倍さんとしてはそういう圧力がかかるのをできるだけ先延ばしにしたくてわざとTPPについて曖昧な公約にしたのではないかと考えています。「自民党の交渉力ならTPPを突破できる」というポーズで経団連他の反発を避けているのではないでしょうか。

体調のこと、皇位継承のこと、原発のこと、ネトウヨのこと、よしりん先生が主張される安倍さんの問題点については、私も全く同意です。ただTPPについては、私なりにリテラシーを働かせた結果、安倍さんの本意はTPP反対にあるのではないかと考えたわけです。
全ての意見が自分と合致する政治家がいないように、全否定すべき政治家もなかなかいないのではと思います。よしりん先生が上記のことで安倍さんを批判するのはよくわかりますが、TPPについては評価してあげてほしいと思いこの文を書かせていただきました。長文失礼いたしました。

No.37 143ヶ月前

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