希蝶 のコメント

 今回、私用で本当にギリギリになってしまい、すみませんでした。

〇 特別寄稿・笹幸恵「自称保守派こそ、皇室を破壊する【勢力】である~小室眞子さん、圭さんの結婚で彼らは何を言っていたか~」
 まず、細かいところから。
 宇山さんという人に申してみたいのですが、「諫言」とは本来いのちをかけて(切腹覚悟で)行うべきものではないか、それを「八重の桜」の影響か、会津藩の「什の掟」だか何だか知らないけれど、軽々しく口にして良いものか、綸言汗の如し、というけれども、自分の発言や行動で、覆水盆に返らず、といったような事態になっても良いのか、と思いました。
 この人や西尾カンチ、ではない幹二を含めて、私たちは眞子様や小室圭さんの親なのでしょうか。親ならばまだ子供の結婚に反対する「親権」があるのだろうけれども(それだって、むやみやたらと濫用すべきものではない)、婚姻は互いの同意によって成立するものではないのか、といったところです。

 「皇室ハイジャック」と申しますが、こういう話は(こういう例を出してはいけないのかな?)欧州の王朝ではしばしば行われてきたことで(ハプスブルク家など)、たとえばマリア・テレジアはロートリンゲン家出身ののちの皇帝フランツ1世と「恋愛結婚」をしましたが、オーストリアなど支配地の政治関連には一切関わらせなかったわけで、イギリスのアルバート公は妻君のヴィクトリア女王をむしろ立憲君主として引き立てる役割をしたらしいですし、西洋においては女性を主体とする政体が確立していたのではないか、と私は思います。これも思い込みの一つでしょうが、キリスト教が本来男尊女卑の宗教であったのは歴然たる事実で、アダムの肋骨からイヴは誕生し、「マタイによる福音書」ではアダムからイエスにいたる系譜が冒頭に掲げられており、男性による血筋が日本以上に徹底していたわけです。ちなみに、よく引き合いに出されるヴァロワ朝からブルボン朝の王朝交替も、当初はアンリ4世にヴァロワ家のマルグリット(マルゴ)が王妃だったわけで、女系による血筋も重視されていたことが分かります。
 竹内宿禰、ではない久美子なども歴史を勉強して欲しいと思いますが、こういう西洋の例を出すまでもなく、政略結婚がどれだけ人格を傷つけるのかという視座は持たねばならぬでしょう。上記のマルゴ王妃も結局、政略結婚で子供をなすことができず、離婚させられていますし、こういう「尊い血筋に生まれたから、それなりの犠牲をともなってしかるべきだ」という思想は人間を幸福にはせず、子孫繁栄という目的からしても、マイナスにしか働かない、後継ぎさえ作ればそれでOK、ということに繋がりかねない。何度もいうけれども「レイアース」のようにただ祈っていればいい、という天皇・皇室観からそろそろ私たちは脱却し、恋愛を認めるべきだ、チャールズ皇太子や故ダイアナ元皇太子妃の悲劇も恋愛結婚だったら、というふうに思います。

 「清く正しく」と申しますが、無菌室にいることが「清く正しく」なんでしょうか?これも何度も言及している話ですが、「十二国記」の祥瓊は芳国の乱れを知らずに清らかな宮中で「清純無垢」のまま暮らしていたために、革命後、国民の怨磋の声を浴び、惨めな境遇に落とされました。私の好きな漫画に萩尾望都先生の「城」という作があるのですが、白い石だけでは半分の「城」しか建てられず、黒い石も混ぜないと完全な「城」は作れないというたとえが出てきます。作中で教師の妻が教え子と「不倫」をする場面があるのですが、最後に教師とともに学校から去って行く不倫妻の姿に主人公の少年が「黒い石も白い石も磨かれて、迷いの果ての、愛の漆喰で積み重ねられた風の城」が見えると語る場面もあり、要は、清冽なものだけれでは聖なるものは生まれず、むしろタブーと見えるものを触れた場合にこそ、その中に清いものが見えてくる場合もあるのではないか、という気がしました(浮気とかを勧めているわけではないので、念のため。ちなみに個人的には私はその後の主人公のおかあさんが泣く場面が好きです)。

 「精力」ではない「勢力」という言葉が出てきますが、皇室を男系で、清純なままにしておきたいという思想を持つのも「勢力」であり、「これこれこうでなければならない」という理想や基準も、確かに必要な場合もあるけれども、押しつけであってはならない、無理強いしたら、強制されたというしこりが残ってしまう、物事は臨機応変に柔軟に見なければいけない、ということのように思います。

 以上、個別にまとめてみましたが、はっきり言って、小室圭・眞子さんは既に結婚されたのであり、その後のことは「本人同士の問題」であって、「犯罪」とか餘程のことがない限り、「そっとしておく」のが通常の反応ではないか、と思います。この問題には双系継承賛成派の中にも秋篠宮家が嫌いだという人も苦情を述べているようなので、何だか一億総小姑と化した日本人の姿が見えてきて、醜悪な感じがします。いい加減に天皇・皇族だけ贔屓されているとか、聖域に暮らさなければならない、という思想は捨て去るべきではないのでしょうか。
 貧富の差にあえぐ人たちにとっては関係ない?いいえ、人は誰でもリスクのようなものを有しており、自分の場合だったら、精神障碍と睡眠障碍があるわけですが、それぞれの苦しみはその人にしか理解し得ないものですが、その存在を知ることは(皇室だったら、基本的人権などがない)ということも理解すべきでしょう。

 以上、長くなりましたし(くだらない言葉遊びもしましたが)、こんなところです。

No.124 36ヶ月前

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