『コロナとワクチンの全貌』読了しました．
科学を扱いつつ社会・政治・日本人論にいたるまで隅々まで「コロナ」の問題点をあぶりだし，にもかかわらず，この読んだ時の軽さ．すごいです．逆に言うと，コロナ論シリーズのハードルの高さが際立ちますね（笑）．「漫画」のはずなんですが．

私がまだ消化不良なのは，コロナの主たる感染ルートについての考察です．
マスクがほぼ意味をなさないこととは無関係の議論で，糞口感染はコロナによる症状の経過を矛盾なく説明できそうな気がします．しかし，
・レセプターの分布の違い（口腔→血流→腸管 ＞ 呼吸器系）だけで議論してよいのか？
・どのような実験系を組めば，あるいは統計データがあれば，飛沫感染が主ではないと断言できるのか？ それこそ動物に感染させた実験でどうなってるのか？
・ウイルス一般で，飛沫感染のときに起こってしかるべき事象，事実は何か？
（明らかな発端者と接したのがトイレしかないのにクラスター発生とか？）
・４つある土着コロナの型のうち，ACE2をレセプターとする型（HCoV―NL63?）とそのほかの型(HCoV-229E, -OC43, -HKU1?)で，感染様式や症状が違うのか？ひょっとすると弱毒コロナ族ということで見向きもされず世界でまだ調べられてなかったのではないか？
など，自分の理解を深めるために井上先生にぜひ質問させていただきたいことがあります．科学的興味は尽きません．