このように、日本人は完全に世間主義に埋没してしまったのだと思います。名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリ氏が死亡した事件がありましたが、これも酷い話です。外国人で不法滞在者とくれば完全に世間の埒外ですから、どんな仕打ちをしてもいいと思っている。だから惨劇だって起きる。母子家庭だって世間では未だ少数派だから、小室圭氏とその母親も執拗に叩かれる。全部繋がっているんですよ。あいつは世間の埒外だ！と決めつけることで人権を剥奪し、寄ってたかって叩きまくる。それが今や、一つの“娯楽”として消費されてしまっている。

昔はこれほど酷くなかったと思います。例えば、“男はつらいよ”のように、世間の埒外で生きざるを得ない人間への同情やら哀れみやら羨望やら、複雑な感情を包摂していたのが「世間」だったはずなんですよ。しかし、その余裕が今やまったくない。世間様に合わせられない人間は害獣と同じ！叩き殺してもいい！それくらいになっている。この狂った世間主義こそが、コロナ禍の元凶だと思いますね。いや、今の日本の混迷の元凶なのかもしれません。