roku のコメント

中村先生が仰るには、アフガニスタンには、確かに民族や部族間の対立や序列はあるが、国家を分裂させるような民族主義はないらしいです。
アフガンをゆるやかに統一させている「不文律」が「パシュトゥヌワレイ(パシュトゥンの掟)」と言われるもので、多少、地域や部族で違いはあるものの、パシュトゥン社会を律する共通の掟だそうです。「都市部の西欧化された階層」ではこれが薄まりつつあると、2006年の時点で仰っているので、現代はもっと影響力が薄まっているかもしれませんが、それでも大部分の農村では健在であると言われています。
その主たるものが「メルマスティア(客人歓待)」と「バダル(復讐法)」です。
「メルマスティア」とは、「よそ者でも友好的な『客人』と認めればもてなし、これに手を出さぬ習慣である。(中略)私は、このお陰で、どんな辺鄙なところでも行くことができる。ただし、相手の文化や慣習を尊重しての話である。」
この「ただし」以下はとても重要ですね。どこの国を訪れるときでも。その国の方と仲良しになれるかどうかのキーワードだと思います。
「バダルとは、『目には目を、歯には歯を』で知られる報復である。危害を与える敵に対して、同様の報いを与えるもので、中世日本の『仇討ち』に近い。」ということです。分かり易い。『忠臣蔵』日本人は好きですが、若者たちはご存じでしょうか。
「『ドシュマーン(敵)』という言葉は、現地で独特のひびきがあって、これも外国人が理解しにくい慣習の一つである。家族同士の代々の抗争のこともあれば、理不尽な仕打ちに対する正当な抵抗のこともある。」

No.366 39ヶ月前

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