またまた遅くなってしまいましたが、今号の感想です。 〇 ゴーマニズム宣言・第432回「千葉真一とヒステリック臆病の落差」 私が千葉真一や三遊亭多歌さんのワクチンを否定して、死に臨んだ姿で思い出したのは、アニメ映画、「地球へ…」のキース・アニアンの最後の姿です(原作の方ではないです)。確か、「俺の命を俺の自由に使うことが出来る」とか言うようなものだったと記憶していますが、コンピュータによって試験管ベビーとして誕生し、コンピュータによって指導者として育てられ、最後は心ならずもジョミーを射殺してしまった彼の、最後の機械への自由意志による抵抗だったのではないか、と思うのです。 それに比して、今のワクチン接種で渋谷で行列をつくる若者などの姿は、何とマスコミや専門家、政府に管理化された理想的で、彼らにとって都合の良い、素晴らしいものなのでしょう(笑)。生き延びるためなら、自分の自由を捨てても構わない。命あっての物種と思っている。それが死の階段への一歩だとも知らずに。『エヴァンゲリオン』のシンジ君の方が、まだ「逃げちゃダメだ」とか、自分の意志による選択をしているように思えます(あれもある意味、気の毒ではあるけれども、情けないです)。 私は「君たちはどう生きるか」については、あまり興味がなかったので(あまり本棚に平積みにされる本については、餘程の稀少価値があるとか、古典だとか、そういうものでないと興味が湧かないです)、無視していましたが、共産主義からの転向というテーマを秘めていた、という話で少しだけ関心が生まれました。私自身は共産主義は嫌いで、人間には能力差があり、それぞれに得手不得手があって、初めて社会の構成員になり得ると思うのですが、その思想を社会の矛盾への抗議手段として殉じていった人達には、ある種の敬意を覚えます。山本有三の『風』には軍隊で馬糞を口の中に入れられる話があるのですが、権力による横暴には徹底して抵抗し、自分の自由意志を通さないと、同じ事がほかでも繰り返され、狭い環境の中でしか暮らせない、不便で束縛された世の中になってしまうのではないか、と思います(ただ、その解決手段が共産主義であるかどうかは疑問です。山本有三も、『路傍の石』では共産主義に疑義を唱えだしています)。 本当に理想的なシステムはこの世には存在しないのかも知れませんし、あったら、逆に大変なことになるような気もするのですが、それでも、その地域にあった歴史と社会の軸に見合った、排他主義的ではなく、変わりうる可能性をも持った何か、が実現されていくよう、たとえて言えば「ホワイトフィールド」のようなものに近づいてゆければ、というふうに思います。 とにかく、人間はやがて死にます。『銀河鉄道999』の世界でも、最終的には永遠のいのちの機械帝国は滅ぼされました。かりに長寿の薬が開発されたとしても、老化したとしたら意味がないです。そのうち、人間は始皇帝の求めたように不老不死の薬でも開発するのでしょうか。やはり、自然に生きて土に帰る、が理想に近いような気がします。『ダリアの帯』という漫画もあるのですが、一見、普通と違っているようでいても、森羅万象と語り合えるような、そんな人生を送りたいです。 木蘭さんの方はまた改めて。モーニングショー、また下らないことをやっていたのでしょうか?おかっぱ頭の医師が出ていたようですが。
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またまた遅くなってしまいましたが、今号の感想です。
〇 ゴーマニズム宣言・第432回「千葉真一とヒステリック臆病の落差」
私が千葉真一や三遊亭多歌さんのワクチンを否定して、死に臨んだ姿で思い出したのは、アニメ映画、「地球へ…」のキース・アニアンの最後の姿です(原作の方ではないです)。確か、「俺の命を俺の自由に使うことが出来る」とか言うようなものだったと記憶していますが、コンピュータによって試験管ベビーとして誕生し、コンピュータによって指導者として育てられ、最後は心ならずもジョミーを射殺してしまった彼の、最後の機械への自由意志による抵抗だったのではないか、と思うのです。
それに比して、今のワクチン接種で渋谷で行列をつくる若者などの姿は、何とマスコミや専門家、政府に管理化された理想的で、彼らにとって都合の良い、素晴らしいものなのでしょう(笑)。生き延びるためなら、自分の自由を捨てても構わない。命あっての物種と思っている。それが死の階段への一歩だとも知らずに。『エヴァンゲリオン』のシンジ君の方が、まだ「逃げちゃダメだ」とか、自分の意志による選択をしているように思えます(あれもある意味、気の毒ではあるけれども、情けないです)。
私は「君たちはどう生きるか」については、あまり興味がなかったので(あまり本棚に平積みにされる本については、餘程の稀少価値があるとか、古典だとか、そういうものでないと興味が湧かないです)、無視していましたが、共産主義からの転向というテーマを秘めていた、という話で少しだけ関心が生まれました。私自身は共産主義は嫌いで、人間には能力差があり、それぞれに得手不得手があって、初めて社会の構成員になり得ると思うのですが、その思想を社会の矛盾への抗議手段として殉じていった人達には、ある種の敬意を覚えます。山本有三の『風』には軍隊で馬糞を口の中に入れられる話があるのですが、権力による横暴には徹底して抵抗し、自分の自由意志を通さないと、同じ事がほかでも繰り返され、狭い環境の中でしか暮らせない、不便で束縛された世の中になってしまうのではないか、と思います(ただ、その解決手段が共産主義であるかどうかは疑問です。山本有三も、『路傍の石』では共産主義に疑義を唱えだしています)。
本当に理想的なシステムはこの世には存在しないのかも知れませんし、あったら、逆に大変なことになるような気もするのですが、それでも、その地域にあった歴史と社会の軸に見合った、排他主義的ではなく、変わりうる可能性をも持った何か、が実現されていくよう、たとえて言えば「ホワイトフィールド」のようなものに近づいてゆければ、というふうに思います。
とにかく、人間はやがて死にます。『銀河鉄道999』の世界でも、最終的には永遠のいのちの機械帝国は滅ぼされました。かりに長寿の薬が開発されたとしても、老化したとしたら意味がないです。そのうち、人間は始皇帝の求めたように不老不死の薬でも開発するのでしょうか。やはり、自然に生きて土に帰る、が理想に近いような気がします。『ダリアの帯』という漫画もあるのですが、一見、普通と違っているようでいても、森羅万象と語り合えるような、そんな人生を送りたいです。
木蘭さんの方はまた改めて。モーニングショー、また下らないことをやっていたのでしょうか?おかっぱ頭の医師が出ていたようですが。