希蝶 のコメント

 ライジング配信、お疲れ様です。
 今号のQ&Aも失礼なものですみませんでした。三浦健太郎先生の絵を、ほかの人が真似をし、同じテーマを描いたとしても、それは「ベルセルク」にはならないのでしょう。明治の木から掘り出した仏が運慶の作品にならないように(令和の木からも生まれないでしょう)。
 AI手塚治虫が、手塚治虫先生本人ではないのと同じなのだとも思いました。

 それでも「ドラえもん」などは藤子F先生が亡くなられた後も、アシスタントのかたがたなどが引き継いで、続きが描かれているみたいですから、作品は作者のためにあるのか、読者のためにあるのか、あるいは作品そのもののために存在するのか、考えてしまいます。
 漫画ではないのですが、私が気になっている作品は『路傍の石』という小説で、「朝日新聞」で一度第一部が完結し、第二部を始めるにあたって、「主婦之友」でリメイクが行われた際に、共産主義者が出てくる場面がけしからんと軍部に目をつけられてやむなく中絶するしかなくなり、さらに戦後は義和団事変での日本軍の活躍の場面がいけないとGHQの検閲を受け、さらに短くされた、という経緯があります。現在、新潮文庫に収録されている内容は、リメイク版のすべて(共産主義者登場の場面)と、それに引きつづくリメイク前の第一部の完結場面までです。
 山本先生が小説を書くのをやめてしまったから、本人がかりに生きていたとしても望まないのでしょうが(山本有三先生は、『女の一生』は書き下ろしで完結させているのだから、多分そうなのでしょう)、せめて第一部だけでも整合性が取れるようにできないか、ということを思ったりするのです。第二部も見てみたかったですね。
 ほかにもそういう作品はあるのですが(芥川龍之介『邪宗門』など、うまく発展させれば非常に面白い伝奇小説になる可能性があったりするのですが)、やはりお節介なのでしょうか?

 人間はデータ化できない、創作物が作者そのものなのだとすれば、人生が終わった瞬間でそれはストップしてもやむを得ないのでしょう。ほかのかたの質問にもありましたが、高齢者でなければ描けないものもあったりするわけで、思想の内容はともかく、そういうかたがたには悔いのないように、とか思います。

 ライジング単行本については、この内容の多くを会員限定で埋もれさせてしまうのがもったいないとも思うのですが、「ボランティア」で漫画や思想はできないですよね。その分、「SPA!」や「Flash」で一般の人は楽しめばよいのかも、です。

 「しゃべクリ」ですが、あの呪文のような文句は、いったいどういう意味なのでしょうか。自分も気になります。

 ライジング感想については、また改めてにします。

No.36 43ヶ月前

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