今週のモクレン・レポートは、また繊細な話題ですね。 「権利追求型の医療」をどこまで認めるか。今後この論点は、ますます重要となってくるでしょう。生理痛緩和と避妊のためのピル。子供のないLGBTカップルのための人工授精。IPS細胞による臓器の培養。ペットのクローン化。数えればきりがないでしょう。しかし、中国のような高度IT監視社会を見るにつけ、テクノロジーの発達が人間の権利と幸福を増進するという考えとは、ある程度距離を取った方がいいかもしれません。冷静に考えた上で、各論で良し悪しを決めていくべきでしょうね。 本来、文化として積み上げなければいけないものを、テクノロジーで代替する。あるいは、文化が破壊されてテクノロジーがそれに成り代わる。コロナ禍の「新しい生活様式」ではありませんが、そういうものは、うすら寒い気がします。利便性の対価は、果たして金銭だけなのかどうか。見えないコストが世の中には多くあって、それを支払うのが便益の享受者とは限らないという点も、勘定に入れておくべきでしょう。あの震災から10年ですが、改めてそう思います。
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小林よしのりチャンネル
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今週のモクレン・レポートは、また繊細な話題ですね。
「権利追求型の医療」をどこまで認めるか。今後この論点は、ますます重要となってくるでしょう。生理痛緩和と避妊のためのピル。子供のないLGBTカップルのための人工授精。IPS細胞による臓器の培養。ペットのクローン化。数えればきりがないでしょう。しかし、中国のような高度IT監視社会を見るにつけ、テクノロジーの発達が人間の権利と幸福を増進するという考えとは、ある程度距離を取った方がいいかもしれません。冷静に考えた上で、各論で良し悪しを決めていくべきでしょうね。
本来、文化として積み上げなければいけないものを、テクノロジーで代替する。あるいは、文化が破壊されてテクノロジーがそれに成り代わる。コロナ禍の「新しい生活様式」ではありませんが、そういうものは、うすら寒い気がします。利便性の対価は、果たして金銭だけなのかどうか。見えないコストが世の中には多くあって、それを支払うのが便益の享受者とは限らないという点も、勘定に入れておくべきでしょう。あの震災から10年ですが、改めてそう思います。