希蝶 のコメント

たびたび遅くなってすみません。今号の感想です。

 ゴーマニズム宣言・第410回「橋本聖子までの後任人事」

 先日のブログで、蘊蓄だけで物事を語るのは良くない、ということでしたが、やはり例としてあげると、イソップにこういう話があります。正確にはこういう話でした(文庫本で確認しました)。

 胃袋と足の話
 胃袋と足が論争をしました。足は力が優れていて腹さえも持ち運べると自慢したので、胃は、「もしも私がお前さんたちに栄養を与えなかったら、お前さんたちも持ち運ぶことはできないだろう」と答えました。このように、軍隊でも、将軍の頭の働きが優れていなければ、兵が多くても何の役にも立たないのです。

というのが、原典のイソップ寓話なのですが、森喜朗氏のオリンピック組織委員会会長職も、ある意味この胃と足のたとえみたいなもので、森氏の手腕は一見見えないけれども、実は並大抵のものではなく、黒子のようなものだけれども、ないと足がいくら沢山あったとしても、かえってもつれてしまうものなのだろうと感じました。船頭多くして船山に上る、ですね。
 橋本聖子は果たして胃袋になれるのでしょうか?

 昔の話で思い出したことがあります。
 ある小学校でクラス委員の選出があって、本人は嫌がったけれども、多数決で決まってしまい、彼はそれなりに勤めたつもりでしたが、3ヶ月ほどでやはり不適任で交替させられました。その際に、あと半分の任期だから、もう少し頑張らせて欲しい、と彼は言ったそうなのですが、彼の発言がブーイングを起こし、結果、やはり多数決で委員を交替させられた、という話です。
 森喜朗氏の話と比べてはいけないのだろうけれども(その人は本当に能力がなかったのでしょうけれども)、その最後の発言は、彼の責任感の現れではなかったのか、と。

 また、少し話がずれますが、自分の身近な話をあげると、自分の自治体では昨年市庁舎を立て直したばかりで、ある意味伝統的な立派な古い庁舎があるのに、勿体ないことをする、そんなに新しいものが素晴らしく、優れているのか、と思っていたのですが、オリンピックの話と同じで、一度進めてある程度達成してしまった事業は、最後まで進めてしまわないといけない、そうしないとかえって大損失になる、ということなのかとも思いました。これはつまらない実例ですが、いつだか民主党政権時に、八ッ場ダムのために村を強制移転させていたのを、ダム工事を中止しようとしてかえって混乱させたという話とも似ているな、といったところです。
 そう考えると、中央リニア新幹線も、是が非でも進めないといけない事業になるのでしょうか。私には、東海道新幹線や、北陸新幹線などで十分ではないのか、という気がしてならない、今後生じるであろう不景気のためには、地元の経済を活性化させることこそ肝要で、餘計な高速鉄道、駅前の高等学校を強制移転し、完全予約制の鉄道など要らないという気もするのですけれども。

 いづれにしても、トップを強制的に交替させるのは、餘程の覚悟や準備がないとしてはいけないのだろう、と感じさせられる話でした。

No.184 45ヶ月前

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