M.O のコメント

生放送の前半終了間際に、中川淳一郎氏が「テレビで『納豆は痩せる』と伝えれば、スーパーの棚から納豆が消える、という国民性」に言及されていましたが、そのテーマについてもう少しじっくりとお話を聞いてみたかったなと思いました。
この特性、「いとも簡単にテレビに左右される」という側面に加えて、「健康情報にやたら敏感である」という一面も見出せるからです。
ここ近年、納豆以外にも、ヨーグルト、オリーブオイル、コーヒー、チョコレート、塩麹など、様々な食品の健康効果を紹介する番組が相変わらず流行っていて、もはや「何がどのように良いのか」を把握できないままに、情報だけ仕入れて「意識を高めている気分」に浸っている人が多いのではないかと感じます。
私の妹は毎朝ヨーグルトにオリーブオイルだけをかけて食べているのですが、「空きっ腹でヨーグルトを食べると、胃酸で乳酸菌がみんな死んでしまう」「食べるなら朝より夜。乳酸菌のエサとなる食物繊維と一緒に」と言ったら驚いてました。
身体に良いメカニズムを知らずに食うとったんかい!
てか、普通にバランスの良い食事を心がけていれば、滅多なことにはならんでしょ。
突き詰めれば全ての食品に何らかの健康効果を見出せるやろ、ということにいい加減気付かんのかな? と。

振り返れば「カロリー」「コレステロール」「脂質」「塩分」「糖質」が続々と悪者扱いされていった経緯があり、私も一時期メタボだったこともあって、大いに影響を受けていた時期もありました。
でも、普通の食生活を送る普通の体型の人が、何でそこまで健康に気を遣わなければならないのか?
そして、日本が世界屈指の「健康診断」大国であり、学界では無意味とされているBMIという指標をいまだ重視していること、厚労省が示す非メタボとなる腹囲の基準数値が厳しすぎることなどを知った時、日本人の健康志向はカルト的な方向に傾いているのではないか、という懸念を抱くようになりました。
食生活以外の運動や入浴などの健康指南でも、専門家は時に非現実的な提言をする場面が散見されます。
コロナ以前からそういった疑念が心の中に湧き上がっていたため、おかげで生命至上主義に陥ることなく、エセ専門家に絡め取られることもありませんでした。

健康第一という価値観は大事なものですが、ここまでカルト的に追求されるようになったのは、医療含む様々な業界の思惑が絡んでいるのだろうと想像します。
昔は「自分の身体のことは自分がよう知っとる」とくだを巻いて言う昭和のオヤジを見て「ああなっちゃいけない」と思っていましたが、この感覚、蔑ろにしてはいけないですね。
必要に応じて知識を仕入れ、場合によっては診てもらうことも大事ですが、情報や数値に振り回されて「今の自分の身体がどうであるか」「人生で何を楽しみとして優先させるのか」といったところを見失ってしまうと、まんまとカルトの餌食になるのだろうと思います。

No.498 40ヶ月前

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