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M.O のコメント

「団塊世代」が何かと槍玉に挙げられますが、その世代である私の父親は少し変わっております。
普段から元気に運動をしているからか、当初より新コロを大して怖がっていませんでした。
トイレットペーパーや保存食品が店頭から消え失せた時も、実に冷静沈着でした。
母親がテレビの情報に左右されやすいタイプなので、これは大変助かりました。
少し話を聞いてみると、「普通の感染症と同様の対策が必要なだけ」とさっさと見切っていました。

テレビを見ていないわけではないのに、何故かくも落ち着いて事態を眺めていられたのだろう? と不思議に感じていたのですが、『コロナ論2』の「外伝 テレビが恐怖の叩き売り」を読んではたと思い当たりました。
そういえば父親は、どんなに好きなテレビ番組(『なんでも鑑定団』とか『プレバト』とか)を見ていてもそれらと一定の距離をとっていて、所詮は「見世物小屋の出し物」程度のものでしかない、と割り切っている様子でした。
出演者のことを名前でなく「あいつ」とか「あのオッサン」としか呼ばず、そもそもテレビに出るヤツは芸人同様カタギの人間ではない、という認識のようです(落語好きなのですが、噺家も「あいつ」呼ばわりか呼び捨てです)。

さらに興味深い事に、父親は昨年の7月頃の段階で、安倍晋三が首相を辞めるのではないかと予想していたそうです。
理由は、最初はあんなに小さかったアベノマスクが、急に大きくなったから。
即ち、感染した際のリスクを重視しなければならないぐらいに、健康面での不安が生じているのではないか、ということ。
そこまで考えてテレビニュースを見ていたのか、と身内ながら感服してしまいました。
テレビ以外の新聞やネットなどのメディアにも分け隔てなく接しているのですが、それらに流されることなく、「あくまで主体は自分」というスタンスを貫いているようです。
また、過去に私が「しくじり」を犯した時、「常に今の自分がそれで良いのかどうか、自問自答し続けろ」と諭してくれたのですが、これ即ち何物においても「疑う視点」を持ち合わせておく、ということなのだろう、と。
おかげでやや偏屈な性格ではあるのですが、全体主義とは無縁でいられるようで何よりです。

思い返せば、小学生の同級生の中には、父親からテレビで見て良い番組を極端に制限されていたという子もいて、PTA的な「教育に悪い」とか「下品」とかいう視点とは別に、「テレビというモノ」に対する警戒心を抱いていた団塊世代も一定数存在していたのではないかと想像するのですが、実際はどうだったのでしょうね?
その頃は距離を取っていたのかもしれないけど、いつの間にか「テレビの面白さ」に惹かれて懐柔されてしまったのでしょうか。
だとしたら、「高齢者のネトウヨ化」と同じような構図なのかもしれませんね。

No.465 48ヶ月前

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