希蝶 のコメント

 今号の感想を追加します。

 先日はアメリカに第三有力政党があったら、ということを記しましたが、今回は「臆病者の民主主義」という観点から考えます。7100万票のトランプ票のほかに、7500万票も郵送でバイデンに投票したアメリカ国民もいるのだから、隠れトランプとTVで報道していたのとは逆に、むしろ「隠れアンチトランプ」が存在したのか、と思わされました。
 合衆国の人口は日本の2倍位で2億強で、有権者の数をその3分の2位とすると、ほぼすべてのアメリカの有権者がすべての選挙人に投票したことになり、(中には投票所で入れた人もいたのだろうと想像しますが)相当数の郵送票が反トランプだったことにわけです。トランプ陣営が激怒するのも当然で、郵送票に何らかのハンディキャップをつけないと不公平ということになります。

 コロナウイルスを恐れ、大多数の郵送票で選出されたバイデンのようなリーダーは脆弱で軟弱であり、「優男」であるだけで、「優しい」わけではない。本当の優しさは時には「ライオンの子落とし」のたとえである場合もあるのだろう。「オカマ野郎の国」というのも言い得て妙だ、と(ゲイの国とか、ニューハーフの国と言っているのではないから。同性愛差別ではありません)。
 「民主制」が「多数決」という民意の反映法をつづける限り、このような「優しさ」の取り違えが起こりつづけることなのでしょうか。

 そして、独裁国家の意志決定力に劣ってしまい、おのずから「独裁制」に敗北する道を用意しているのではないか、バイデンの場合はこちらでしょう。
 あるいは「共和制」であった政体がいつのまにか、「独裁制」への対向策として、大統領など、内政府の長を首班とする強権的な政体移行の準備をすすめてしまっているのではないか。トランプだったらこうなるのでしょう。
 さらに、「誰か強い指導者に支配されている方が楽だから、自分の頭で考えなくて良いから」という理由で、その二つの流れを国民自分からが歓迎するようになるのではないか。日本の場合はこちらかな。
 以上の三点を危懼致します。
 「民主制」はそうして「独裁制」の母体となり、独裁制に吸収される土壌になり得るのかも知れないです。民主制のもつ病理が顕在化した大統領選だったのだな、と感じさせられました。この世界の社会が独裁と単純な思考を求めているのかも知れない。そう思い、改めて、自分の頭で考えることの大切さを気づかされました。日本国民も、村社会で「前へ習え」をするのではなく、個々で複雑に判断しないと、ただ流されるだけの惰弱な群体に成り果てるのではないか、と。
 私には、マスクや自粛など、なぜみなが同じ考えをできるのかが不思議でなりません。右へ行きたい人もいれば左へ行きたい人もいて、前へ進みたい人もいれば後ろへ後ずさりする人もいる。それはその個人の自由であって、それが健全な社会ではないか、と思うのです。
 はやくみんなが自由に考え、思想し、行動できる世の中になることを願います。また、四角画面の「会えなくても繋がっていられる」というリモートCMを流すようでは、「みんながやってるようになぜできないのか」というマスク警察・自粛主義者の言い分しか通らないでしょう。

No.119 49ヶ月前

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