Dr.U のコメント


 こんにちは、ウサギ先生です。小林先生のおっしゃる「村社会的な同調圧力」について思うところがありましたので、記させていただきます。
 マスク警察の跋扈に見られる通り、まだまだ新型コロナにまつわる同調圧力は、弱まる兆しが見えません。それにしましても、この同調圧力というものは、どこから生まれてくるものなのでしょうか。
 鴻上尚史さんは『同調圧力』(講談社現代新書)という本の中で、次のように述べておられます。

「…『同調圧力』を生み出す根本のメカニズムが、日本 特有の『世間』なのです。『世間』の特徴は『所与性』 と呼ばれる『今の状態を続ける』『変化を嫌う』です。」

 傾聴に値する指摘ですが、私は同調圧力の根本には、単なる現状維持への指向を超えた、「自分勝手なことをしない・させないという共同体原理」があるように思います。
 この原理はおそらくは集団が危機的状況において生存を図るための生物学的本能に根差すものであり、そうであるがゆえに広く動物の行動に強い影響力を及ぼすものと考えられます。
 この原理はそれが正常に機能している分には問題ないのですが、何かのきっかけで「暴走」を始めると、とんでもない結果を生み出します。
 では「勝手なことをしない・させないの原理の暴走」とは何でしょうか。現今の新型コロナ騒動について言えば、次のようなことになるでしょう。それは最初は、病気が引き起こす健康被害への恐怖から始まりました。その恐怖はマスコミに煽られ、増幅されて、人びとの間に広がり、過度な「自粛」が始まりました。
 さて5月頃になると、どうやら新型コロナはさほど恐れるべきものでもない、という判断を下すためのデータがかなり揃ってきました。ところがこのころには、もはや自粛それ自体が自己目的化してしまったのです。実際は効果があるかどうかも疑わしい感染対策も、それをみなが守ること自体が自己目的化してしまいました。そして大多数の人々の心は、「自粛を破ること・勝手なことをすること」によって世間から下される社会的制裁への恐怖によって、支配されるようになったのでした。
 以上が、「勝手なことをしない・させないの原理の暴走」です。こうしたことを考えているうちに、私は、ある面白いアナロジー(類比)に思い至りました。そのアナロジーとは…
 今回の「新型コロナ」という病気では、その症状の特徴として「サイトカインストーム」、すなわち免疫システムの暴走が指摘されています。そしてその治療のために免疫抑制剤を用いることが有効であることが分かっています。
 然るに「新型コロナ・パニック」という病気では、それが発生した一因は、ほんらい共同体を守るための共同体原理が暴走してしまったことにあります。ということは、いま何よりも必要とされているのは、この共同体原理の暴走を鎮めるための「免疫抑制剤」だということになります。
 ならば! 今、もっとも手ごろで、安価で、効果抜群の「新型コロナ・パニック用の免疫抑制剤」と言えば何でしょう? …答えを言ってしまうと、なんだかおべっかになりそうなので、やめておきます。
 以上、ウサギ先生でした。

No.99 48ヶ月前

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