国家ビジョンも同様です。国民がこの調子では、政治家が信念だのビジョンだのを持っていても出世の害にしかなりません。その場の世間の空気を読んで、都度それに応えるのが政治だと勘違いしても仕方がないでしょう。で、当然何をやるのも後手後手で場当たり的、方々のお友達に気を配ってはグダグダの利権・無責任体制が温存され、万事が有耶無耶で終わる。これが世間への無限忖度の必然的帰結ですよ。こんなものが「政治」だって笑う気にもなりませんね。

もっと言えば、自国の安全保障を肩代わりしてくれる（はずの）アメリカの、最高権力者の顔色を伺うのが政治で一番大事ということになってしまう。安倍晋三が国民から広く支持された真の理由はこれですね。参勤交代してアメリカのお殿様の顔色を伺う日本藩の当主、彼はそういう位置づけなんですよ。だからあんなわがままな殿様のご機嫌取って胃を悪くして「お疲れ様」なんです。外交の安倍、という世間的評価はそういうことでしょうね。