希蝶 のコメント

 連投失礼致します。
 木蘭さんの8月12日のブログを読んで。
 昔、高校の国語の授業でこんな話を習ったのを思い出しました。
 作家は誰だったのか、忘れましたが、石川淳だったかな?高校の教科書は卒業と同時に親に全部捨てられてしまったので(また高校生をやる気なのか、と言われて)、思い出せないのです。

 ある男がいて、前世はすっぽんだった。すっぽんだった時に、彼はとある武士の約束を信じて、その武士が落とした短刀を川底から拾い上げた。男は約束を守り、その川のある範囲を禁猟区にしてくれた。
 しかし、禁猟区とは名ばかりで、その区域を過ぎるとすっぽん取りの罠が待ち構えており、おまけに人に見つからないようにすっぽんを刈る輩まで増えてきた。その区域だけすっぽん保護区だったので、自然にすっぽんが集まるようになった所為でもある。ほかのすっぽんは武士の刀を拾ったすっぽんを責めたが、当のすっぽんは「こういうことを考えるようになったのは、この情況があるからなのではないのか」とうそぶいていた。

 というような話なのですが、物語はこの後、人間に転生した男が役人のいい加減な裁定もあって傘を騙し取られたり、庭に植わっていた梨の中に金がはいっているのも知らずに人に売ってしまい、代金を後で取りにきたら、家を新築中だった売った先の人に追い出されてしまったりと、不運続きでつづくのですが、それでも男は何も感じないままでいた、というような結末です。

 「封じ込められる自由」「人生を謳歌しない自由」で、上記のような物語を思い返しました。課題で、続篇を作ることになり、私は男がすっぽん禁猟区の川で前世に気づいて、新たに梨の木に生まれ変わり、二度と騙されることはなかった、というような話にしました。

 自由は待っているだけではなく、勝ち取らないといけない、と周庭さんの話でも思います。現在NHK教育で「銀英伝」の新作アニメが放映されているのですが、そこでも軍部の急進派のクーデターに対する民衆の暴動が描かれており、いかに軍人たちが正義を信じ、クーデターを起こしたとしても、民衆は自由を求めて立ち上がるものだ、なのに、なぜ日本ではこういうことが起こらないのだろうか、死者が二万人出るよりはましだとでも思うのか、それだけ権力やマスコミの飼い猫になりたいのか、というようなことも思います。 

No.77 52ヶ月前

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