小ネタなんですが、最近知ってあきれた話です。

光田氏と同じような人生の人に、ディック・チェイニーという人がいます。
彼の評伝映画「バイス」に依拠して書きますが、
この人も光田氏と同じで良い経歴ではなく、若い時は飲酒運転で逮捕されたことまであります。
が、時の権力者に巧みに仕えて出世し、
ブッシュ政権の副大統領になった時、９.１１テロがありました。
光田氏がハンセン病を「出世のチャンス」と捉えたように、
チェイニーも対イスラム戦争を「opportunity（機会）」と捉え、　
「大量破壊兵器はない」のに「ある」とでっち上げ、強引にイラク戦争を始めました。
その戦争を通して、憲法の拡大解釈を推し進め、お飾りだった副大統領の弱い権限を、
無制限の、事態によっては大統領を凌ぐ権力の地位に叩き上げました。　
そうして凄まじい力を手にしたのですが、結果、中東は無秩序の地獄のような混乱状態に陥り、　
ISに至る最悪の負の連鎖が生まれ、双方何十万もの死者を出しました。
災いしかない、完全に間違った戦争でした。
ゴー宣で何度も言及されている通りです。
ハンセン病患者の人生をダシにして成り上がった光田氏。
中東とアメリカの人命をダシにして時の権力者になったチェイニー氏。　
不遇から這い上がる根性と努力は頭が下がりますが、でも、生贄にされた人はたまったものではありません。　
ただ、終生告発されなかった光田氏よりましな所は、
チェイニー氏はイラク戦争は誤りだったとして、糾弾されていることが救いです。
「バイス」のように真実を抉った優れた映画も作られるぐらいですから。　
ですが、そんな彼に日本は２０１８年１１月に旭日大綬章をあげてます！　
勲章はまったく詳しくないんですが、ウィキで見ると、
貰っている人は戦前まで入れると明治天皇！とか維新の志士！とか元勲！とか。
教科書や大河ドラマに出てくるスゲー有名人ばかり。
こんな疑惑の惑星の人に、最高の勲章を、日本の英雄たちと同じ賞をあげてしまう、このセンス。
しかも、彼の所業を告発する映画「バイス」が１２月にアメリカ公開という、直前の時期に。　
まったくリサーチしないのか。アメリカに媚び売ったのか。
それとも中東戦争の諸々の残虐行為を軽く見ているのか。　
そして犠牲になったアメリカ人、中東の人がどう感じるのかを何も考えてないのか。

勲章を決めている人たち、ひいては日本に暗澹となりました。　
こういうあきれたことするズサンで適当な心根だから、
コロナに振り回される今の恥ずかしい現状があるんだなぁと、
奇妙な因果関係を感じてしまいました。