配信お疲れ様です。このたび小林先生が提示されたハンセン病差別の歴史は、重大な示唆に富んでいますね。大した感染力のない病の脅威を大げさに言い立てる専門家。それにミスリードされる社会と大衆。差別される罹患者たち。今、あるいは今後起こり得る出来事についての想像を巡らし、暗澹たる気持ちになりました。

法治主義でなく、ムラの共感関係が支配する日本社会。私はこれを世間主義だと常日頃から定義しております。そのときどきの「世間がどう思うか」が、大衆の道徳になっているのが日本です。それは時として法律をも凌駕してしまう。これが進行すると、極めて誤った思想が法制化されかねない。最大限の警戒をせねばいけません。

「身内には寛容だが、寛容の限界を越えてもはや身内とみなされなくなった相手には極端な不寛容にと転じる」

これまでの人生で、世間を「ウチ」と「ソト」に分けてウチには手厚く、ソトには冷酷に振舞うという人間の態度をどれだけ見てきたことか。世間の人々が真夏並みの気温でもマスクに拘るのは、「ウチ」と見做されたいからですね。「ソト」のパチンコ屋や夜の街がいかに人間扱いされないかを知っているからでしょう。玉川徹や岡田晴恵、モーニングショーの製作者たち、あるいはPCR教の布教者たる専門家たちは、まさにコロナ禍における差別主義の伝道師であると言っても過言ではないと思います。