Doc のコメント

ブログの木蘭さんの「たいていほとんどの国が、初期の2週間でぐっと新規感染者数が増えて、そしてその後はなだらかな減少カーブになっている」という疑問についてですが、これは指数関数の特徴を反映しているものだと思われます。

線形の関数(三角形を想定してください)の場合には、裾野の長さ(期間の広がり)は頂点の高さ(被害の大きさ)に比例します。なので、この場合には被害の大きさによってグラフの形(広がり)が変わって見えることになります。

一方で指数関数(ねずみ算)の場合には、頂点の高さ(被害の大きさ)にかかわらず、グラフの広がりは一定になるため、被害の大きさによらずにグラフの形(広がり)は同じように見えることになります。

具体的には、頂点の高さの半分の高さの位置における広がりの大きさが倍化時間(収束期だと半減期)に対応し、四分の一の場所の広がりはその二倍、八分の一の場所の広がりはその三倍になります。倍化時間は実効再生産数Rtと感染の時間スケールTによって決まり、0.69÷(Rt-1)×Tという関係になっています。また、実際の感染者数のデータからも見積もることができて(この倍化時間をRtとTの評価に利用することが多い)、ほとんどの国で一定の範囲内に収まることが分かっています。

実際にはRtも倍化時間も一定値ではないため、ぴったりとそうなるわけではありませんが、ラフにはそういうことになっているはずです。

つまり、数学的なトリックによる一種の錯覚なのですが、上手く説明できてなかったら、すみません。
明日の生放送も楽しみにしております。

No.166 48ヶ月前

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