KAZU のコメント

ちなみにPCR検査の陽性率が話題になりましたが、これは当たり前ですが『どのような人たちを対象にしたか。』によって陽性率が変わります。例えるなら全国民(子供を含む)を対象にした喫煙率と全成人(子供を除く)を対象にした喫煙率、肺がんにかかっている人の喫煙率はそれぞれ異なりますし意味合いも変わります。一概に喫煙率が3%だったとした場合、それが子供を含む全国民であればそりゃそうだ、ということになりますし、30%と言われても肺がん患者さんという対象であればそりゃ多くなるよね、ということです。なお、国が発表している検査数は基本的には民間検査会社のPCR検査件数は入ってないので、このデータをもとにした陽性率で感染状況を語ることはできません。

ちなみに当施設の場合はだいたい7%前後です。陽性率がわかると何がわかるかというとだいたいの罹患率がわかります。罹患率は大雑把に陽性率/感度で推測できますので、感度を70%とすると罹患率は10%ぐらいでしょうか。高いなー、って思うかもしれませんがこの対象者は、新型コロナウイルス感染症患者との濃厚接触者、胸部CTで新型コロナウイルス感染症を疑わせる所見がある、新型コロナウイルス感染症でよく起こるような経過がある、肺炎があるといった方々を対象にしていますので、新型コロナウイルス感染症の可能性が高い人が対象です。なので新型コロナウイルス感染症にかかっている可能性が低い人を含めた集団(例えば地域の住民全体)に適応することはできません。ちなみに陽性率が低すぎると特異度がとても高くならないと式が成り立たなくなります。そうなるとスクリーニング検査というか確定診断のための検査となってしまいます。この場合、どれぐらい現実的ではなく不適格かというと、皮膚のできものができたらすべて摘出して病理の先生に診てもらって癌がないかどうかを調べてもらうぐらいです。皮膚にちょっとした吹き出物ができたとしてもそんなことしないでしょう?ちなみに陽性率が20%を超えてくると対象者の罹患率が高くなりすぎますので、その集団以外のことをスクリーニングできているかよくわからなくなります。そうなると対象を広げないといけなくなります。今の陽性率は7-10%ぐらいですので、検査結果としてはバランスよくできている状態です。やや陽性率が低いため、確定診断向けの検査ですので、当施設では現時点ではスクリーニングとしてこれ以上対象を広げなくてもいいと思っております。

このようにデータをもとに医療機関が判断するといいと思います。
PCR検査うんぬんの話はワイドショーではなく、われわれ医療サイドに対応を任せてください。

No.351 48ヶ月前

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